(岐阜)旧神岡鉱山 じん肺訴訟 控訴審 2016年1月22日

  • 9 年前
旧神岡鉱山 じん肺訴訟控訴審
2016年01月22日 10時08分
岐阜県の旧神岡鉱山で働き、じん肺になった元従業員と遺族が、鉱山を経営していた会社側に賠償を求めた裁判の2審で、名古屋高等裁判所は、1審の判決を変更して新たに4人をじん肺と認め、会社側に対して賠償の増額を命じました。
この裁判は、岐阜県の旧神岡町、今の飛騨市にあった、旧神岡鉱山で働き、粉じんで肺の機能が損なわれるじん肺になった元従業員と遺族、計36人が、鉱山を経営していた「神岡鉱業」と、親会社の「三井金属鉱業」に、
計10億円余りの損害賠償を求めたものです。
おととし6月、1審の岐阜地方裁判所が、すでに時効が成立している人を除く、原告28人について、会社側の責任を認めて、計約3億4000万円を支払うよう命じたため、原告と会社側の双方が控訴していました。
21日の2審の判決で、名古屋高等裁判所の揖斐潔裁判長は「じん肺を防ぐには防じんマスクの着用などを記載するだけでは足りず、実効性のある対応が求められていた」などと指摘して、再び会社の責任を認めました。
そして、1審の判決を変更しCTの画像などを根拠に新たに4人についてじん肺と認めたうえで、会社側に対し1審より約3500万円多い、計3億7000万円余りを支払うよう命じました。
判決のあと、原告と弁護団が名古屋市内で記者会見を開きこの中で、弁護団長の河合良房弁護士は「4人が新たにじん肺と認められて、会社側の訴えが、退けられたという意味では勝訴だ。
しかし、CT画像に影が写らなければじん肺と認められないのかという問題点は解消せず残念な判決だった」と話し、最高裁判所に上告することを検討する考えを明らかにしました。
旧神岡鉱山で、約30年間勤務したという、原告団の水本明治団長(69)は「原告全員がじん肺と認められなかったのは悔しい」と話しました。
三井金属鉱業は「判決内容を精査して今後の対応を決定する」というコメントを出しました。

お勧め