化血研 不正ただす機会3回ありながら隠蔽継続 2016年1月8日

  • 9 年前
化血研 不正ただす機会3回ありながら隠蔽継続
2016年1月8日 4時59分
熊本市にある血液製剤などのメーカー「化血研」が、長年にわたって国の承認とは異なる方法で血液製剤を製造し、組織的な隠蔽を図っていた問題で、過去に不正をただす機会が少なくとも3回ありながら、製品の出荷を優先し隠蔽を続けていたことが関係者への取材で分かりました。厚生労働省は8日、化血研に対して、処分の期間としてはこれまでで最も長い110日間の業務停止処分を行う方針です。
この問題は熊本市にある血液製剤などのメーカー「化血研」=化学及血清療法研究所が、およそ40年にわたって国の承認とは異なる方法で血液製剤を製造し、不正を隠すために製造記録を偽造するなど組織的な隠蔽を図っていたものです。
NHKが化血研の複数の関係者に取材したところ、過去に不正をただす機会が少なくとも3回ありながら、製品の出荷を優先し隠蔽を続けていたことが分かりました。
このうち、今からおよそ20年前には不正を解消するためのプロジェクトが内部に作られましたが、実態に合わせて血液製剤の製造方法の変更を国に申請し治験を行うと、製品の出荷に時間がかかるとして不正をただすには至らなかったということです。
平成25年と26年には業界団体の調査や内部告発による国の立ち入り検査が行われましたが、処分を避けるために書類を偽造し不正の発覚を免れていたということです。
化血研の幹部は「不正を解消しようとすれば、製品の出荷が滞った可能性があり偽造や改ざんを続けていた。不正を明らかにする勇気がなく後悔の気持ちでいっぱいだ」と話しています。
厚生労働省は一連の対応は極めて悪質だとして、8日に化血研に対して、医薬品医療機器法に基づき110日間の業務停止処分を行う方針です。処分の期間はこれまでで最も長いということで、化血研は、ほかに代替できるものがない血液製剤やワクチンを除き4種類の血液製剤の販売ができなくなります。

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