• 7 年前
堺虐待死 義理の父親に懲役13年求刑

(大阪府)

堺市で3歳の長男が虐待の末、浴槽に沈められて死亡した事件の裁判員裁判で31日、検察側は「子どもにとって、自宅は地獄だった」として、義理の父親に対し懲役13年を求刑した。

この日の大阪地裁堺支部。「ごめんなさい、と子どもが謝る中で、7秒間くらい5回にわたって風呂に沈めるのを繰り返しました」。

悪びれることなく、淡々とした様子で長男への虐待の実態を詳細に語った義理の父親。

傷害致死などの罪に問われている堺市の派遣社員常峰渉被告だ。

常峰被告は一昨年、妻の美香被告とともに、自宅で当時3歳の長男英智ちゃんに虐待を加えたうえ、足で首を踏みつけて浴槽に沈め、死亡させたなどとされる。

「正直、邪魔な存在でした」。

日常的に行われていた虐待。

英智ちゃんの体には30か所以上のあざやタバコによるやけどのあとがあった。

出かける際にはほぼ毎回、英智ちゃんを浴室に閉じ込め、長いときは8時間以上も監禁。また、家から逃げ出した英智ちゃんを連れ戻して暴行した事もあったという。

近所の人たちは「助けて、パパごめんなさい、ごめんなさい、という泣き声で、すごい大声で泣いていた」「毎日のように泣いてましたからね」などと話す。

しかし、常峰被告は…。「自傷行為始まったからね。子ども自体がね。自分で指突っ込んで口の中で噛んだり、自分で頭コンコンやったりするようなってたからね」。

逮捕前、常峰被告は虐待を否定していたが、裁判が始まると全面的に起訴内容を認めた。

そして、この日の被告人質問。英智ちゃんを死なせるまでの卑劣な虐待を繰り返した理由については…。

「優越感というか、仕事などのストレス発散になっていたと思います」と語った。

また、可哀想だと思わなかったのか、という弁護人からの問いには…。

「当時は虐待だとは思っていなかったというのが本心です」「家の中自体が悪の空間みたいになっていました」。

当時はあくまでしつけの一環と思っていた、と述べた。

検察側は「被害者にとって自宅は地獄でしかなかったはずで、一人の人間として扱っているとは思えない。残虐で卑劣な犯行」として懲役13年を求刑。

一方の弁護側は、情状酌量を求めて裁判は結審した。

判決は来月3日に言い渡される。
[ 2017/1/31 18:38 ]



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