ウルリッヒ・ベック『リスク社会を生き抜く(2)』

  • 4 年前
今回のベックインタビューでは、近代産業社会は想定外のリスクが潜んでおり、そうした中で進歩を可能にしたのが保険原理だと述べている。
すなわちリスクが現実化した場合お金で保証して、突き進んで来たのである。
それ故ベックは、専門家が安全とお墨付きを与えたとしても懐疑的だと明言している。
実際このインタビューの2年も経ないで福島原発事故が起き、その際ベックは、「原子力事故では被害が大き過ぎ、引き受ける保険会社もないことから保険原理は適用できず、その損害を国や市民が負担するなら、恐ろしく不当だ」と、ドイツメディアだけでなく世界に発信している。
それ故倫理委員会では、ベックは原子力事故の不当性を訴え、「原子力のような恐ろしい技術は廃棄し、自然エネルギーに転換すべきである」と明言している。
次回は福島原発事故直後のベックのメディアへの、ドイツでの具体的発言も載せ、日本がその後も原発を再稼働することがいかにリスクがあり、許されないことであるかも、検証したい。

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