性同一性障害 通称で保険証 2017年02月07日

  • 7 年前
性同一性障害 通称で保険証

心と体の性が一致しない「性同一性障害」と診断され、女性の通称で暮らしている京都市の会社の経営者に対し、経営者が加入する国民健康保険組合が、
戸籍上の男性の名前ではなく、女性の通称で保険証を交付したことがわかりました。性同一性障害の人たちでつくる団体は、珍しいケースで、配慮ある対応だとしています。
女性の通称で国民健康保険証の交付を受けたのは、京都市内に住む50代の会社の経営者です。
経営者が加入する京都府酒販国民健康保険組合によりますと、この人は、心と体の性が一致しない「性同一性障害」と診断され、女性への性別適合手術
を受けましたが、戸籍の性別の変更は、「未成年の子どもがいないこと」などの条件にあてはまらなかったためにできず、名前の変更もしませんでした。
経営者は、女性の名前で暮らすようになりましたが、国民健康保険証の名前は男性のままで、病院で名前を呼ばれるときなどに苦痛だとして、
組合に保険証の名前を変えてほしいと求めていました。
このため組合が厚生労働省に問い合わせたところ、保険証の名前は組合の判断で決められるという回答があり、女性の通称で保険証を交付したということです。
性同一性障害の人たちでつくる一般社団法人「日本性同一性障害と共に生きる人々の会」によりますと、保険証で通称が認められるのは珍しく、
配慮ある対応だとしています。
NHKの取材に対し、この経営者は、「今まで病院で味わっていた苦痛が緩和されると思ったら、うれしいというよりもほっとしたなという感じです。
私が私であるための第一歩になったと思います」と話しています。
2017年02月07日 17時55分

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