20140712山梨の雪崩多発 「原因は結晶の形」

  • 10 年前
ことし2月の記録的な大雪で、山梨県内では通常は雪崩が起きにくい樹木が密集した斜面でも雪崩が起きていたことが専門家の調査で分かり、専門家は、太平洋側に降る雪は結晶の形に崩れやすい特性があるため雪崩が多発したと分析しています。

ことし2月の記録的な大雪を受け、日本雪工学会と日本雪氷学会のチームは被害について現地調査を行いました。
その結果、山梨県内では、通常は雪崩が起きにくい、樹木が密集した斜面を含めて100か所以上で雪崩が起きていたことが分かりました。
さらに、今回のように南岸を通る低気圧に伴って太平洋側に降る雪は、日本海側の雪とは異なり、結晶の形が六角形ではなく、柱の形状などが多く、結晶どうしで結び付く力が弱く、崩れやすい特性があることも分かりました。
実験の結果、太平洋側の雪は日本海側の雪に比べ、半分ほどの斜面の角度で崩れたということです。太平洋側に降る雪の量は通常少なく、雪崩の被害はこれまであまり確認されていませんでしたが、調査チームでは、今回の大雪では崩れやすい雪の特性から雪崩が多発したと分析しています。
調査チームの団長を務める雪氷防災研究センターの上石勲センター長は、「人的被害はなかったが、雪崩の多発が除雪の遅れや長期間の交通障害にもつながっていて、今後、太平洋側でも対策が必要だ」と話しています。

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