• 10 年前
9日午後、三重県四日市市のコンビナートにある化学工場で、設備のメンテナンスの作業中に爆発が起きて、作業をしていた5人が死亡し、12人がけがをしました。

9日午後2時すぎ、三重県四日市市三田町の「三菱マテリアル四日市工場」の第1プラントで爆発があったと消防に通報がありました。
警察によりますと、この爆発で、三菱マテリアルの社員3人と下請け会社の作業員2人の合わせて5人が死亡し、12人がけがをしました。
消防によりますと、けがをした12人のうち、39歳の男性は顔をやけどして症状が重くドクターヘリで病院に搬送され、残りの11人は四日市市内などの6か所の病院に搬送されたということです。
いずれも命に別状はないということです。
工場によりますと、爆発があったのは半導体の基板の材料になる「多結晶シリコン」と呼ばれる製品を製造する第1プラントで、9日午前中から定期的なメンテナンスのため、熱交換器を解体する作業が行われていたということです。
熱交換器は、直径が1メートル、高さが6メートルほどの筒状の設備で、フタを外そうとしたときに爆発が起きたということです。
このため、工場は、シリコンを製造する過程で使用した化合物から発生した水素が内部にたまり、何らかの原因で爆発した可能性があるとしています。
警察と消防は10日午前9時ごろから現場検証をして爆発の状況や原因について詳しく調べることにしています。
消防本部「熱交換機の洗浄作業中だった」
午後5時半から会見を行った四日市市消防本部によりますと、爆発が起きたとき、工場では6人が「熱交換器」と呼ばれる装置を洗う作業を行っていたということです。
この装置は筒状で、直径およそ1メートル、長さ6メートルあり、内部に細い管が入っていて、工場で扱う原料などを冷やしたり、温めたりするのに使われているということです。
工場では定期的に機械の洗浄を行っていて、爆発が起きたときは、水や窒素を中に入れて洗浄作業を行っていたということです。
また、この工場では、おととしの2月、同じ装置の洗浄中に内部の物質とアルカリ水が反応して水素が発生し、洗い場の排水溝が飛ぶ事故があったということです。
このときはけがをした人はいなかったということです。
クロロシラン類が関係か
三重県の三菱マテリアル四日市工場で起きた爆発事故で、総務省消防庁は原因を調査するため職員7人を現地に派遣しました。
爆発は「クロロシラン類」と呼ばれる化合物を水で洗浄している最中に発生した疑いがあるということで、消防庁は、現地の消防とともに物質の特定などを進めることにしています。
四日市工場は
「三菱マテリアル四日市工場」は、三重県四日市市の湾岸地区の石油コンビナートの中にあって、周辺にも石油関連の工場が数多く集まっています。
三菱マテリアルによりますと、四日市工場では半導体の基盤の材料になる「多結晶シリコン」と呼ばれる製品を製造しているということです。

お勧め