「移民が性的暴行」 少女の作り話が国際問題に 2016年2月3日

  • 8 年前
「移民が性的暴行」 少女の作り話が国際問題に

13歳の少女の小さな作り話が国際問題にまで発展する騒ぎとなってしまいました。

先月、ドイツで13歳の少女が「移民の男たちから集団で性的暴行を受けた」と訴え、大きな問題となりました。

その後、少女の作り話だったとわかるのですが、膨れ上がる難民への不安を抱えるドイツ社会に大きな波紋を広げています。

発端は、先月11日、ベルリンで13歳のドイツ人の少女が「移民系の男たちから集団で性的暴行を受けた」と訴えたことでした。

少女は通学途中に行方不明となり、30時間後に自宅に戻りましたが、その間、「男たちに車で拉致され、アパートに無理やり連れて行かれた」と証言したのです。

これにロシアの各メディアが火を付けました。

少女がロシア系ドイツ人だったことから、一方的に肩入れしてこう報道したのです。

「犯人は難民の男たちだ。表沙汰になるとドイツの難民受け入れ政策に支障をきたすため、警察が事件を隠蔽しようとしている」(ロシアのメディア)

これにより、騒ぎは一気に広がりました。

怒ったドイツのロシア系住民らは、真相究明を求め、メルケル首相の執務室がある首相府前に押しかけ、抗議しました。

ドイツでは、去年大みそかから元旦にかけて、ケルンで通行中の女性らが難民の男らから性的暴行を受けたり財布などを盗まれる事件が起きたばかりで、またもや難民が事件を起こしたと騒ぎは広がるばかり。さらに・・・

「事件が隠蔽されることなく、今回のようなことが繰り返されないよう望む」(ロシア ラブロフ外相)

ロシアのラブロフ外相もこの問題で発言し、ドイツ政府が意図的に事件を隠蔽していると非難。

これに対し、ドイツ外務省は「事件を政治利用しようとしている」と反論するなど、ロシアとドイツの関係がさらに悪化する事態となりました。

ところが、被害者とされる少女が「事件は全て作り話だった」と告白したのです。

「学校での成績が悪いので両親が呼ばれることになり、それが嫌で家に帰らなかった。当日は男友達の家にいた」(少女)

警察は「事件は全て嘘だった」と発表しましたが、一体、何が本当なのか、今も市民は疑心暗鬼のままです。

「13歳の少女がそんなことでうそはつかないでしょう。私は警察より少女を信じます」(ベルリン市民)

そんな中、難民をめぐる新たなニュースがドイツ社会を再び揺るがせます。

ベルリンの難民登録センターで、シリア難民の男性が、雪の中、何日も外で順番を待たされたあげく、死亡したというのです。

現場で働くボランティアの男性のネット上での告発がきっかけでした。

「もう2日もここにいます。寝てないし何も食べてない。寒くて指先は動かない」(シリア難民)

しかし、このニュースもまたボランティアの男性の作り話でした。「難民の置かれた状況を変えたいと思い、酒に酔った勢いでついついうそをついてしまった」と男性が申し出たのです。

「(男性は)ボランティア全体の評価をおとしめた。とんでもないことです」(ボランティアスタッフ)

膨大な数の難民の存在をどう受け止めればいいのか・・・受け入れ、反発、どちらの側でも不安や懸念が高まっているようです。
(2016年2月3日18:28)

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