バッハ カンタータ 第140番 4. シオンは物見らが歌うのを聴く BWV.140

  • 7 年前
三位一体節後の第27日曜日に朗読された、マタイ福音書第25章1から13節は、 花婿の到着を待つ乙女のたとえを用いて、神の国の到来への備えを説いています。
まず、花婿とは神の国のたとえです。
花婿の到来が遅れ10人の乙女たちは眠ってしまい、灯火を切らしてしまいました。
5人は予備の油を持っていたので結婚式に出席できましたが、
残りの5人は準備を怠り油を買いに行ったため、式に出席できなかったという話です。
つまりやがて訪れる神の国の到来に備え、目を覚まして備えよというたとえです。
これをふまえて、真夜中に物見らの声を先導として到着したイエスが、 待ちこがれる魂との喜ばしい婚姻へと至る情景を描いたのがニコライのコラール。
さらにこのコラールに基づいてバッハが作曲したのが、カンタータ第140番なのです。
三位一体節後の第27日曜日は、暦の関係で復活節が早い年にしか出現せず、この日のために作られた第140番は、礼拝では希にしか演奏されません。
また、第27日曜日が現れたのはバッハが教会に在任中、2回のみのことで、 従ってこの日のためのカンタータは第140番のみになっています。
にも拘らず、膨大な量のバッハの教会カンタータの中でもこの作品が愛されるのは、 楽曲が持つ生命力が特にすばらしいことの証といえるかもしれません。

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