危険薬物「合法ハーブ」どう規制する?

  • 12 年前
幻覚などをもたらす「脱法ドラッグ」のうち、「合法ハーブ」と呼ばれる商品が若者らの間で急速に広まり、京都府内で今年に入って9月末までに、19人が使用後に病院に搬送­されるなどして治療を受けていたことが15日、府警の調査でわかった。

 嘔吐(おうと)や意識障害を引き起こしたケースもあり、府警は摂取しないよう注意を呼び掛けている。府警によると、脱法ドラッグに関し、警察が実態を調べるのは異例という­。

 府警の発表では、合法ハーブを使用して搬送されるケースが今夏、府内で相次いだため、警察署を通じて実態を調査。その結果、1~4月に搬送者はなかったが、5~9月に17­~41歳の19人(男性16人、女性3人)が救急搬送されるなどしていたことが判明。うち16人は京都市内だった。

 合法ハーブは、乾燥させた葉のようなもので、火を付けて専用のパイプなどで吸い、大麻に似た使用感が得られるほか、興奮作用を持つものもあるという。

 これまでに薬事法上の指定薬物となったものもあるが、化学構造式を一部変化させて規制を逃れている商品も多い。府内では現在、木屋町などの繁華街のほか、幹線道路沿いなど­に合法ハーブを扱う店が7店あり、19人のうち12人はこうした店で購入、3人がインターネットで入手し、残り4人は府内の路上で譲り受けるなどしていた。

 脱法ドラッグを巡っては、2006年7月、大阪で服用した大学生がマンションから飛び降りて死亡したほか、04年7月には、東京で使用した男が錯乱状態になり、同居女性を­刺殺するなどの事件が発生。府警組対3課は「調査で判明したのは氷山の一角。さらに深刻な健康被害が出ている可能性もあり、安易な摂取は控えてほしい」としている。(関俊­一)

(2011年11月16日 読売新聞)

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