人にやさしい空港を目指して-グランドスタッフの取り組み2-(JAL)

  • 15 年前
現在、JALが羽田空港でご用意している約100台のベビーバギーには、1枚の地図がひもで下げられています。この地図には、出発ロビーでベビーベッドが設置してあるすべてのトイレと、授乳室がある場所の情報が掲載されています。赤ちゃんのおむつ替えの場所を探す際、お客さまがすぐに最寄りのベビーベッドを見つけられるようスタッフが手作りした地図です。

この地図を作ったのは、普段、空港オフィスで統計や経理を担当している女性スタッフ。2年ほど前、スタッフ同士の雑談の中で「伊丹空港では、赤ちゃん連れのお客さまに便利なトイレの地図があるらしい」という話が出たのがきっかけでした。羽田では、それまでどこにもまとめられていなかったベビーベッドの情報を同僚と手分けして調べ、日常業務が終わった後、会社に残り、自分でイラストを描いてまとめあげました。

また、JALの空港スタッフは、お体の不自由なお客さまにも快適な旅行を楽しんでいただけるよう、さまざまな工夫を取り入れています。たとえば羽田空港では、耳の不自由なお客さまと接した際に、せめてごあいさつや感謝の気持ちだけでも手話でお伝えできるようにと、昨年1月に手のひらサイズの『手話 BOOK』がスタッフ全員に配られました。この小冊子には、簡単なあいさつ文をはじめ、「航空券をお持ちですか?」「お座席のご希望はございますか?」といった、空港でよく耳にする表現が、イラストや解説とともに収められています。これを作ったのは、自らも聴覚障がいをもつ女性スタッフでした。普段、社内誌の編集をしている彼女は、スタッフの間に手話を浸透させるために手話コーナーを設け、解説記事を書いていました。『手話BOOK』はその連載を集大成したものです。空港内で手話を使いこなせるスタッフはまだまだ少数ですが、この冊子ができてから、なんとか手話を身につけたいと彼女に個人レッスンを請う同僚も出てきています。

接客を担当するスタッフが業務としてお客さまにサービスを提供するのはもちろん、それ以外のスタッフも自ら考え、気づいたことをすぐ実行に移す。そうしたサービスマインドの種が、今日も全国のあちらこちらの空港で芽吹いています。

Category

🚗
Motor

お勧め