安全の受け渡し ログブック(JAL)

  • 15 年前
お客さまの安全と快適な空の旅のために。
JALで働く一人ひとりに共通する思いです。

飛行機には「ログブック」と呼ばれる航空機搭載日誌が積まれています。これはパイロットと整備士との間を結ぶ、運航になくてはならない日誌です。今回は、この「ログブック」についてお話します。

JAL が保有するすべての飛行機には、おのおのの機体を特定するために、JA8563やJA8942といった「機番」が付けられています。航空法では、ログブックを機番ごとに必ず備え付けることを義務づけており、この日誌には、その飛行機に関するさまざまな情報が書き込まれています。

記載される内容は、その飛行機の現在の状態と整備履歴。たとえば「便名」や「飛行経路」はもちろん、「燃料の搭載量」「着陸後の残存燃料」「離陸時の総重量」「離陸・着陸時刻」、それに「修理や点検をした整備状況」などです。人間にたとえるならば、ちょうど身長や体重、体温、血圧、脈拍などを記録した“身体測定表”と、過去の病歴や治療歴がわかる“カルテ”を合わせたようなものに当たります。

このログブックに書き込むのは整備士と機長。出発前、整備士は機体の状態や、どの部分にどんな整備を施したか、燃料がどのくらい搭載されているかなどを確認して書き込み、機長に手渡します。

機長が書き込むのは、稼働しているときの飛行機の状態です。たとえば飛行中、機体に鳥がぶつかったりすれば、そうした事実を記録するのはもちろん、計器に表れた不自然な数値、手の感覚や耳で聞いて感じた異常など、乗務中に気づいたことをすべて書き込み、着陸後、整備士に渡します。

飛行機が地上で羽を休めているとき、ログブックを管理するのは整備士の役割です。パイロットが乗務中に飛行機の不具合を見つけて書き込めば、整備士はその記録に基づいてパイロットと相談し、適切に処置します。そして、その機体が健康な状態に戻ったことを整備士が確認し、ログブックに記録して次のフライトの際に機長に手渡します。このような引き継ぎが、一冊のログブックを介して繰り返されます。

パイロットから整備士へ。整備士からパイロットへ。ログブックの受け渡しは、まさに“安全のバトンタッチ”なのです。

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