相場格言「道は自然に法る」老子 ~大橋直久

  • 4 年前
中国の株式相場・投資の訓言・格言

「道は自然に法(のっと)る」~老子

すべては自然にのっとっている。

草木の生えるものも自然であり、春夏秋冬の移り変わるのも自然である。

人間の踏み行なうべき道も、やはりこの自然にのっとるのが最もいい。


大橋直久


■■■ 参考になりそうな過去の相場・金融ニュース ■■■

「財政破綻回避の道筋を」

2010年

◇財政再建目標を明示すべきだ

日本国債の信用が揺らぎ始めている。

国家の信用度を反映する国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の保証料率は、2009年10月後半から、日本国債(5年物)の保証料率が急上昇し、3月下旬以降は、ほぼ連日、中国国債を上回っている。経済規模だけでなく、国の信用度でも中国に追い越されつつある。

日本の個人金融資産は1400兆円以上あり、国債をほぼ国内で消化できるので、当面は大量発行が続いても、長期金利急上昇などの心配はないという見方もある。しかし、住宅ローンなどの負債を差し引いた額は1000兆円余りしかない。毎年40兆~50兆円の今のペースで国債増発が続けば、数年で国債残高が上回る計算になる。国内の金融資産が尽きれば、国債消化は海外勢へ依存することになり、金利上昇などの変動が避けられない。

日本の国・地方合計の長期債務残高は2010年度末に860兆円を超す見通しだ。国内総生産(GDP)に対する長期債務比率は180%を超え、先進国中、最悪の水準にある。アメリカ、イギリスは80~90%台、日本に次いで悪いイタリアでも120%台、危機に陥ったギリシャでも115%(2009年)と、日本が飛び抜けている。

ただ、日本とギリシャの違いは、日本国債の約93%は国内資金が保有しているのに対し、ギリシャは70%超を海外勢に頼っている点だ。ギリシャは、海外勢による国債売りが激化して危機が深まったが、日本も海外勢の保有比率が上がるほど不安定性は増す。

民主党は、特別会計の積立金などいわゆる「埋蔵金」や、ムダ排除の徹底で巨額の財源作りが可能だと主張してきた。しかし、埋蔵金は10年度当初予算でほぼ使い尽くし、兆円単位の財源捻出(ねんしゅつ)を目指した昨秋の第1次事業仕分けは約6800億円の予算削減にとどまった。財政が破綻(はたん)に向かっているのは誰の目にも明らかである。

政府は2010年6月に、今後3年間の歳出・歳入の大枠を定める「中期財政フレーム」と、長期の「財政運営戦略」を定める。

政策的経費を税収・税外収入の合計額の範囲内でまかなう基礎的財政収支(プライマリーバランス)を均衡させ、黒字化させる目標年を明示しなければならない。単年度の収支が均衡するだけでは不十分だ。名目金利が名目成長率を上回る状態が続けば、基礎的財政収支が均衡していても、債務の対GDP比率の上昇に歯止めがかからなくなる恐れがある。

財政再建目標について、政府内には「15年度に赤字幅を半減、20年度に黒字化」とする意見もあるが、債務の膨張を避けるためには時期をもっと前倒しすべきだ。債務の対GDP比率などの削減目標も検討し、具体的な財政再建の道筋を示す必要がある。

増税も含めた財政再建の旗を堂々と押し立てることが、国際社会や市場からの信認を維持する唯一の方法であり、ひいては長期金利抑制など足元の景気下支えにもなる。

<CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)>

高度な金融技術を使ったデリバティブ(金融派生商品)の一種で、国の財政破綻や企業が倒産するリスクを取引する。投資家がCDSの売り手に保証料を払えば、国や企業が破産や債務不履行に陥っても補償を受けられる仕組みだ。国債などの保有者が、リスク回避の手段として使うが、投機目的で売買されることも多い。CDSの保証料率が大きいほど、投資家が破産の危険が高いとみていることを示す。日本など先進国には規制を図る動きもある。


参考:https://www.smartoption.jp/closing/