20190801 おはよう日本 関東甲信越 発達障害 1人暮らしを支援するアパート

  • 5 years ago
発達障害 1人暮らしを支援するアパート

おはよう日本関東甲信越 2019年8月1日放送
ひるまえほっと 2019年8月5日放送

詳細は以下のリポートをご覧ください。
https://www.nhk.or.jp/shutoken/ohayo/report/20190801.html

発達障害があり、1人で暮らすことが難しい人を支援するアパートが横浜市にあります。そこに暮らす人たちが「親の助けがなくても1人で生きていきたい」と、新たな一歩を踏み出しています。


アパートに暮らす会社員の男性です。子どものころ、“アスペルガー症候群”と診断されました。
計画を立てることが苦手で、給料を使い切ってしまうこともあります。


生活を支援するスタッフが一緒に家計簿をつけて、お金の管理を行っています。
スタッフ「今週はあんまりお金使ってないですね」
男性「ちょっと気をつけなきゃなという意識が芽生えてきたのかなと」
2年間で100万円を貯める計画を立て、すでに50万円近く達成することができました。
「ここまで貯まるとは思わなかったというのが本音です」と男性は話します。
アパートでは、発達障害のある14人の大人が1人暮らしをしています。


支援を行っているNPO法人では、入居者には、親の助けがなくても、生活できる力をつけてほしいと考えています。
NPOの副理事長、浮貝明典さんは「1人で暮らしたときに『ごみ屋敷』になったとか、家事が全然できなくて、仕事にも行けなくなってしまったということがあります。発達障害の特性を理解して、本人に合う方法で提案をしていくということが必要になる」と話しています。


2年の入居を経て、手応えを感じている人がいます。高機能自閉症と診断されている、36歳の女性です。
この女性は「この歳で自立していないのは、嫌だなと思いました」と話しています。
コミュニケーションが苦手で、両親にも思っていることを伝えることができませんでした。実家のトイレが詰まったとき、助けを求められず、30分以上こもって悩み続けたこともありました。


女性のためにNPOが取り入れたのは、調理実習でした。
この日作ったのは、サバのトマト煮。レシピには、「しんなりするまで炒める」など、あえてあいまいな表現を使って、女性から自然に質問が出るのを待ちます。


女性「もう少し強火にしたほうが良いですか?」
スタッフ「そうですね」
女性「ちょっと火を強めにしました。(このほうが)煮えやすいですかね」
スタッフ「そうそう」

この女性は「いろいろ経験するうちに、相談してもいいんだっていう気持ちが、時間がかかりながらも芽生えてきました」と話します。

そして半年前、うれしい出来事がありました。
大学を卒業して10年あまり。IT関連の会社から、初めて内定をもらったのです。
「もう涙です。物事を言えるようになったからです。すみません、思い出して涙が出てしまいました」と話す女性。


女性の変化を、両親も喜んでいます。
父親「一生変わらないかなと思っていたけど、すごくびっくりしました」
母親「やっぱり親はいつまでもいるわけじゃないから、いずれはひとり立ちしないといけないので」


大きな一歩を踏み出した女性。自分が受けたような支援が、広がっていくことを願っています。
「私は本当に幸運で、さまざまな支援を受けて1人暮らしができています。1人でも多くの人が(支援を)受けられたら、その人だけじゃなくて家族ももっと楽になれると思います」と話していました。

NPOでは、来年3月に新たなアパートをもう1棟作る予定だということです。
問い合わせ先
◇生活支援を行うNPO団体について
 特定非営利活動法人 PDDサポートセンター グリーンフォーレスト
 住所:神奈川県横浜市都筑区東山田2-3-17 イオプレイス103
 電話:045-548-8964
 FAX:045-548-8964
 E-mail:info@pdd-gf.jp
 受付時間:13:00~22:00(平日)

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