男子バレー日本代表が五輪出場を逃した屈辱的瞬間

  • 8 年前
男子バレーのリオ五輪出場権をかけた世界最終予選の第5日が2日、東京体育館で行われ、日本は豪州にセットカウント0-3のストレート負け。これで通算成績が1勝4敗となり残り2試合をそれぞれストレートで勝利してもセット率で4位以上を確保することができなくなり、リオ五輪出場権を逃した。日本はロンドン五輪に続き2大会連続で五輪出場を果たすことができなかった。

 序盤から豪州の高さに苦しんだ日本は、セットの終盤に右膝を痛めスタメンを外れていた柳田がサービスエースを決めるなどしたが、重要な第1セットを23-25で競り負けた。
 第2セットは流れを変えようと、22歳のセッター関田でスタートを切ったが、途中エースの石川が右足首を痛めて治療のためベンチ裏に下がるアクシデント。一気に得点源を失った日本は、豪州のエース、エドガーに連続で強烈なサービスエースを許して13-18と大きく点差を広げられた。石川は、治療後、足を引きずってコートに戻ったが、流れを取り戻すことができずに19-25で失った。

 もう後のなくなった日本だが、第3セットは足を痛めた石川がスタメンを外れた。再びセッターを深津に戻して石川に替わり柳田がスタートからコートに立ったが、豪州の高さに対抗することができずブロックが機能しない。それでも柳田のターゲットを絞ったサーブや、スピードを生かした攻撃で食い下がり、米山のサービスエースで中盤には、16-15で逆転。清水のサーブで豪州の守備陣を崩してリズムを奪い、21-18と3点差までリードを広げたが、ベテラン、キャロルのスパイクで23-23と同点に追いつかれ、ジュースにもつれこむ大接戦の末、27-29で敗れた。このセット、石川はコートに立てなかった。

 試合後、南部監督は、「選手は力の限り戦った。結果がついてこなかったわけですが、あと2試合、まだまだ可能性のある日本男子という姿を見せて終えたい」と、淡々と敗戦の弁。

 キャプテンの清水は、時折、言葉につまりながらも、「ここまでやってきて……いい形も、いいバレーもできたんですが、最後は力及ばなかった。本当に悔しかったです。でも、まだ試合が続くので、一生懸命、頑張って、日本らしいバレーができるように、次につながるように頑張りたい」と言葉を搾り出した。

 足を痛めて最後はコートに立つことができなかった石川の目は赤かった。
「試合に負けたので、(リオ五輪の)出場権も獲得できなかったので、すごく悔しいです。試合はまだあるので、次につながるようにやっていくしかないです。凄く悔しいですが、切り替えてやるしかないと思います。もっとこうしておけばは、いい訳にしかならない。もっと実力を、力をつけるしかないと思う」
 鎮痛な空気が流れていた。

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