• 7 か月前
197X年の夏のある日の結婚式。新郎である浩二の姪の川村ありすが、新婦のウェディングベールをねだる。「私が死んだら、あげる」と言う新婦に、ありすは「死んじゃえ」と呟く。直後、新婦が事故死する。出席者たちが驚き悲しむ中、ありすは「叔母さんが死んだから、ベールが貰える」と喜ぶ。同日、ウィーンに滞在していたその新婦の妹・秋元涼子は、喧嘩別れした恋人に「死んじゃえ」と呟き、その直後に恋人が交通事故死する。涼子は自分が死なせたと思い込んで心を病み、入院する。

3年後に治癒した涼子は、浩二の姉、8歳となったありすの母である川村圭子の家へ、住込みの音楽教師として招かれる。新たな生活が始まって早々、夜に寝ている涼子の顔に姉のベールがかぶさってきたり、深夜の庭にウェディングドレス姿の姉とおぼしき女性が現れたりと、次々に奇妙な出来事が起きる。

ありすは学校で教師から、音楽の授業で最も歌が上手な生徒にオルゴール人形をプレゼントすると言われ、人形欲しさに努力する。しかし、人形は貰えず仕舞に終わる。後日、ありすが「死んじゃえ」と呟いたのを涼子が耳にした後、その教師が川に転落死する。不審を抱く涼子のもとに、ボートハウスに住むジャンキー青年が現れ、真相を目撃したと告げる。

涼子は、ありすが姉や教師を殺したと考え始め、先の青年に、ありすから犯行の証言を聞き出してテープに録音するよう依頼する。青年はありすに接近するものの、逆に家に放火されて焼死する。涼子は、ありすの犯行を浩二と圭子に訴えるが、8歳の少女が大人3人を殺したなど、浩二は信じない。

後日、圭子がありすと心中を図り、涼子に阻止される。圭子によれば、ありすは4年前に父が自殺したことで、父から捨てられたと思い込み、病的なほどの物欲心を抱いていた。現在では、ありすは父に代って浩二を愛し、浩二に近づく女性に強い敵意を抱いていた。ありすの犯行を見抜いていた圭子は、様々な悪戯で涼子を家から追い出し、涼子を救おうとしていたのだ。圭子はありすを病院に入れようとするが、逆に罠に嵌められて殺害される。ありすはさらに、涼子をも殺害しようとする。しかし寸前に浩二が駆けつけ、ありすはとっさに被害者を装う。

後日。眠りから目覚めた涼子は浩二から、あの青年の遺した録音テープから真相が明らかになり、ありすは病院に入ったと告げられ、安堵する。しかし浩二が去った後、自分の居場所が病室だと気づく。涼子の訴えは誰にも信用されず、逆に涼子が精神科に入院させられたのだ。録音テープは、証拠となる肝心な会話部分が火災により焼け焦げ、他愛もない会話と、ありすの無邪気な声が残っているだけであった。

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