母親が娘を8年間監禁状態に、札幌市

  • 16 年前
中学生になったばかりの娘を母親が監禁、自宅に8年間も閉じ込めていたことが分かりました。北海道札幌市で発覚したこの8年もの監禁、どこかで防ぐことはできなかったのでしょうか。

 監禁が始まったのは、女性が中学校に入学したその翌日でした。入学式の日、クラスで自己紹介もしたという被害者の女性。それから8年、精神的なショックで記憶を失っていました。

 「不登校というシグナルの陰にある虐待を認識していなかった」(札幌市保健福祉部 岡田 寿 部長)

 札幌市によりますと、被害者の女性は小学3年生の頃から不登校になりました。登校したのは、6年生のときに1日だけ。中学校では入学式とその翌日だけで、女性の姿を見た人はいませんでした。

 その後、別居していた父親が、妻が娘を閉じ込めていることに気づき、監禁状態にあったことが分かりました。なぜ、こうした監禁状態が8年間も続いたのでしょうか。

 「現時点で考えると、あと一歩の踏み込みがあれば・・・。当時の状況からいったら、なかなか難しいこともあるとは思うが、してくれていれば、何かあったかもしれない。いい展開があったかもしれないなというふうには思っている」(札幌市教委 西村喜憲 部長)

 女性が不登校となったため、学校の教師などは、中学卒業まで家庭訪問などを繰り返していたと言います。しかし、母親は娘に会わせてくれませんでした。学校は児童相談所にも相談していましたが、重大な問題とは考えず、記録も残っていませんでした。

 8年ぶりに保護されたとき、女性は部屋にうずくまった状態で発見されました。その後、母親は精神障害があると診断され、医療保護入院の措置が取られています。