激しい地上戦で県民の4人に1人が犠牲になった沖縄戦から68年。沖縄で、戦争体験者の証言を家族がビデオで記録するという新たな取り組みが始まった。祖父の証言を記録したいと奮闘する女子大生に密着。「思い出したくない記憶」でも「伝え残したい記憶」…。痛みを伴う戦争証言の記録を通して、おじいは孫にどんな思いを託すのか。沖縄の命の原点といわれる「地上戦の記憶」を受け継ぐことで育まれる「家族の絆」を見つめる。
東京から1,500キロ。太陽と癒やしの島沖縄。
今でこそたくさんお客さんが来るけどもみんなこの島の暗〜い影の部分を知っているんかねぇ。
67年前沖縄は戦場になったさぁ。
普通に暮らしていた村に突然軍隊がやって来たわけよ。
おばあも赤ちゃんもみんな巻き込まれたさぁ。
県民の4人に1人10万人近い人が死んでいったんだよ。
でも今どきのネーネーたちには戦争なんて関係ないんかねぇ。
あら沖縄局アナウンサーの栗原さん。
ああそのホームページによく気づいたさねぇ。
おじいやおばあたちの戦争体験を家族に語り継ごうっていう取り組みなわけさ。
味わってほしくない戦争のむごさ。
思い出させるのもためらうわけさ。
家族だから話せない聞けないつらい戦争の記憶。
それを記録することで家族に何が生まれるのかねぇ。
去年11月家族の証言を記録したい学生向けに説明会があったさ。
年々沖縄戦を体験した年寄りたちが減っているからね。
だからこそ今その人たちの話を記録して残そうという取り組みが始まったわけよ。
やっぱり家族だから話せる本当の戦争の怖さもあるさぁねぇ。
あいえな…泣いてるさぁ。
平仲愛里。
地元の大学3年生。
愛里はおじいに戦争体験を聞こうと思っていたけどやっぱり不安みたいだねぇ。
愛里の家から歩いて5分。
おじいの家があるよ。
この人がおじい。
平仲正治さん。
2年前に心臓を悪くしてからは調子もあまり良くないってよ。
愛里は小さい頃からいつもおじいと一緒だったって。
そのおじいも25年前に奥さんに先立たれてからはずうっと1人暮らし。
最近は話もめっきりしなくなったからね。
戦争の時おじいは16歳だったんだって。
どんな体験をしてきたのか多くを語ってはくれないさ。
愛里はおじいの記憶が確かなうちに話を聞きたいんだけど…。
つらい記憶を無理に思い出させることでおじいを苦しめるんじゃないかと気遣っているわけさ。
愛里はおじいに話を聞く前にまずはおじいの戦争体験を自分で調べてみようと考えたわけさぁ。
実はおじいの戦争体験を知るヒントがあるさ。
おじいは20年前から若い頃の出来事を絵に描いてきたって。
色鉛筆で描かれた36枚の絵にはおじいの思い出がいっぱいだね。
黒鉛筆が減るのは戦争の記憶がとても暗いから。
足のちぎれた兵隊の前を並んで歩き去る人々。
大きな釜や荷物を抱えたこの人たちは誰でどこに向かっていくのかねぇ。
この絵には身体が真っ二つ。
無残なことだねぇ。
おじいはつらい記憶を絵で残していたんだね。
おじいの絵には何が描かれていたんかねぇ。
戦争中おじいと一緒にいた千代子おばあに聞いてみたさ。
おばあは絵に描かれた場所を案内してくれたさ。
この絵はやっぱりおじいの家族が逃げている絵だったんだねぇ。
連れて行ってくれたのはおじいの家から10分ほどの場所。
おじいは家族の食糧が入った大きな釜をかついで逃げたんだけど途中で母親とはぐれてしまったらしいよ。
戦後孤児となったおじいは幼い4人のきょうだいの父親代わりになって妹たちを食べさせていったわけさ。
愛里もきょうだいの中では一番年上のお姉さんさねぇ。
ほら愛里おじいのことを一番知っている人が帰ってきたよ。
まずは泡盛で一杯。
そういえばおっとう愛里がおじいの子供の頃について聞きたいってさぁ。
そう言うわけ。
貧しいながらもおじいは必死で幼い兄妹たちを食べさせやがて自分の家族も増やしていったんだよ。
いろんな人が教えてくれたおじいの戦争体験。
でもどうしても分からない絵があったさ。
この絵にこそ戦争の本当のつらさが描かれているのに違いない。
愛里はこの絵だけはどうしてもおじいに直接聞いてみたいと考えたわけさ。
どうもどうも。
おじいの孫たちもみんな集まってきたさぁ。
あぃえ…今日もおじいは良くないってよぉ。
でも愛里おじいも準備してくれているさぁ。
ちばりよ〜! えっとね…すさまじい艦砲射撃を浴びてバラバラになったいくつもの死体。
じっと思い詰めていたおじいはゆっくり語り始めた。
これはね…愛里戦争は怖いし悲しいねぇ。
この絵はおじいのつら〜い記憶。
でも伝えたかった大切な記憶だったんだねぇ。
最後にどうしても見せたいものがあるってよ。
これね。
出てきたのは大きな釜。
おじいが見せたかった物。
それは戦争中食料を蓄え命をつないでくれたあの釜さぁ。
戦後もこの釜のおかげでたくさんの命が育まれ家族の絆が広がっていったんだよ。
家族の戦争体験を受け継ぐことで深まる家族の絆。
そして平和への思い。
愛里おじいの思いをいつか自分の子や孫たちにもつなげていくんだよ。
「祖父の語る姿を見て私たちの命はこうしてつながってきたんだという実感を持つようになりました」テレビの前のニーニーやネーネーたち。
おじいおばあの記憶を記録してみないかねぇ。
東京から1,500キロ。太陽と癒やしの島沖縄。
今でこそたくさんお客さんが来るけどもみんなこの島の暗〜い影の部分を知っているんかねぇ。
67年前沖縄は戦場になったさぁ。
普通に暮らしていた村に突然軍隊がやって来たわけよ。
おばあも赤ちゃんもみんな巻き込まれたさぁ。
県民の4人に1人10万人近い人が死んでいったんだよ。
でも今どきのネーネーたちには戦争なんて関係ないんかねぇ。
あら沖縄局アナウンサーの栗原さん。
ああそのホームページによく気づいたさねぇ。
おじいやおばあたちの戦争体験を家族に語り継ごうっていう取り組みなわけさ。
味わってほしくない戦争のむごさ。
思い出させるのもためらうわけさ。
家族だから話せない聞けないつらい戦争の記憶。
それを記録することで家族に何が生まれるのかねぇ。
去年11月家族の証言を記録したい学生向けに説明会があったさ。
年々沖縄戦を体験した年寄りたちが減っているからね。
だからこそ今その人たちの話を記録して残そうという取り組みが始まったわけよ。
やっぱり家族だから話せる本当の戦争の怖さもあるさぁねぇ。
あいえな…泣いてるさぁ。
平仲愛里。
地元の大学3年生。
愛里はおじいに戦争体験を聞こうと思っていたけどやっぱり不安みたいだねぇ。
愛里の家から歩いて5分。
おじいの家があるよ。
この人がおじい。
平仲正治さん。
2年前に心臓を悪くしてからは調子もあまり良くないってよ。
愛里は小さい頃からいつもおじいと一緒だったって。
そのおじいも25年前に奥さんに先立たれてからはずうっと1人暮らし。
最近は話もめっきりしなくなったからね。
戦争の時おじいは16歳だったんだって。
どんな体験をしてきたのか多くを語ってはくれないさ。
愛里はおじいの記憶が確かなうちに話を聞きたいんだけど…。
つらい記憶を無理に思い出させることでおじいを苦しめるんじゃないかと気遣っているわけさ。
愛里はおじいに話を聞く前にまずはおじいの戦争体験を自分で調べてみようと考えたわけさぁ。
実はおじいの戦争体験を知るヒントがあるさ。
おじいは20年前から若い頃の出来事を絵に描いてきたって。
色鉛筆で描かれた36枚の絵にはおじいの思い出がいっぱいだね。
黒鉛筆が減るのは戦争の記憶がとても暗いから。
足のちぎれた兵隊の前を並んで歩き去る人々。
大きな釜や荷物を抱えたこの人たちは誰でどこに向かっていくのかねぇ。
この絵には身体が真っ二つ。
無残なことだねぇ。
おじいはつらい記憶を絵で残していたんだね。
おじいの絵には何が描かれていたんかねぇ。
戦争中おじいと一緒にいた千代子おばあに聞いてみたさ。
おばあは絵に描かれた場所を案内してくれたさ。
この絵はやっぱりおじいの家族が逃げている絵だったんだねぇ。
連れて行ってくれたのはおじいの家から10分ほどの場所。
おじいは家族の食糧が入った大きな釜をかついで逃げたんだけど途中で母親とはぐれてしまったらしいよ。
戦後孤児となったおじいは幼い4人のきょうだいの父親代わりになって妹たちを食べさせていったわけさ。
愛里もきょうだいの中では一番年上のお姉さんさねぇ。
ほら愛里おじいのことを一番知っている人が帰ってきたよ。
まずは泡盛で一杯。
そういえばおっとう愛里がおじいの子供の頃について聞きたいってさぁ。
そう言うわけ。
貧しいながらもおじいは必死で幼い兄妹たちを食べさせやがて自分の家族も増やしていったんだよ。
いろんな人が教えてくれたおじいの戦争体験。
でもどうしても分からない絵があったさ。
この絵にこそ戦争の本当のつらさが描かれているのに違いない。
愛里はこの絵だけはどうしてもおじいに直接聞いてみたいと考えたわけさ。
どうもどうも。
おじいの孫たちもみんな集まってきたさぁ。
あぃえ…今日もおじいは良くないってよぉ。
でも愛里おじいも準備してくれているさぁ。
ちばりよ〜! えっとね…すさまじい艦砲射撃を浴びてバラバラになったいくつもの死体。
じっと思い詰めていたおじいはゆっくり語り始めた。
これはね…愛里戦争は怖いし悲しいねぇ。
この絵はおじいのつら〜い記憶。
でも伝えたかった大切な記憶だったんだねぇ。
最後にどうしても見せたいものがあるってよ。
これね。
出てきたのは大きな釜。
おじいが見せたかった物。
それは戦争中食料を蓄え命をつないでくれたあの釜さぁ。
戦後もこの釜のおかげでたくさんの命が育まれ家族の絆が広がっていったんだよ。
家族の戦争体験を受け継ぐことで深まる家族の絆。
そして平和への思い。
愛里おじいの思いをいつか自分の子や孫たちにもつなげていくんだよ。
「祖父の語る姿を見て私たちの命はこうしてつながってきたんだという実感を持つようになりました」テレビの前のニーニーやネーネーたち。
おじいおばあの記憶を記録してみないかねぇ。
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