放射性汚染水海上移動型処理施設”すずらん” 花言葉は「清潔・清廉」!!

  • 13 年前
1.液体放射性廃棄物処理施設の概要
 日本のトーメン社と米国B&W社(Babcock & Wilcox Nuclear Enviromental Services,Inc.)が建設を担当し、建設費は約30億円(当初契約価格;約25億円)と見積られている。この処理施設は、長さ65m、幅23.4m、高さ6.6mの自力航行能力のないバージ(はしけ;厚さ1mの耐氷能力;船体はロシア・コムソモルスクのナ・アムール造船所で建造)の上に設置される浮体構造型のものであり、その内部は逆浸透膜や蒸発濃縮器を中心とした化学的処理施設、処理前の液体放射性廃棄物を貯蔵するタンク、および処理後に残る放射能を帯びた汚泥をセメントで固形化してドラム缶に充填する施設の3つのセクターで構成されている。
 取り扱える放射能レベルは、平均で1E-6 Ci/リットル以下、最大1E-5 Ci/リットル。処理能力は、35m3/日(年間200日の稼動で7,000立方メートル)である。浄化された後の液体廃棄物は、魚が棲む池に排出しても問題ない程度の水質になっている。係留地は、ウラジオストックの対岸の半島西側のボリショイ・カーメニにあるズベズダ原子力潜水艦解体工場の埠頭である。ただし、必要に応じ日本側に通報のうえ、その周辺の処理個所に移動できることになっている。
 現在、極東において貯蔵されている液体放射性廃棄物に加えて、今後、極東における原子力潜水艦の解体に伴って生じる液体放射性廃棄物(年間5,000~6,000立方メートル)の海洋投棄を将来にわたって防止する上で、十分な処理能力を有するものとなる。本処理施設は、すずらん(花言葉で「清潔・清廉」の意)と名付けられた。