迫りくる「たんぱく質クライシス」 日本ハム 井川伸久社長が語る食肉の未来とは【Bizスクエア】

  • 2 months ago
早ければ2030年にも、たんぱく源となる食肉などの生産量が追い付かなくなる「たんぱく質クライシス」が起こると言われています。

そうした中で、国内の食肉販売量シェア20%を占め、たんぱく質クライシスに立ち向かうという日本ハムの井川社長に話を聞きました。

【VTRゲスト】井川伸久(日本ハム社長)
【コメンテーター】白井さゆり(慶應義塾大学 総合政策学部教授)

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Transcript
00:00早ければ2030年にも タンパク源となる食肉などの生産量が追いつかなくなる
00:07タンパク質クライシスが起こると言われています
00:10そうした中で国内の食肉販売量のシェア20%を占め
00:15タンパク質クライシスに立ち向かうという
00:18日本ハムの井川社長にお話を伺ってまいりました
00:22幅広い世代に人気があるシャウエッセン
00:46このシャウエッセンが発売された1985年に
00:51日本ハムに入社したのが去年社長に就任した
00:55井川信久氏です
00:59井川社長は加工事業本部長時代
01:02これまで社内ではタブーとされていた
01:05シャウエッセンブランドの新たな展開を始めました
01:11ホットチリ味やチーズ味のほか
01:15カットしたシャウエッセンを乗せたピザなどの発売です
01:21井川さんはこのシャウエッセンの再成長に向けて
01:24いろんな手を打たれて旗を振ってきたと聞きました
01:27今調子どうですか
01:29おかげさまでシャウエッセンは順調に伸びております
01:35代々伝わった掟なんですけれども
01:38そういうようなボイルして食べなさいだとか
01:42切ってはダメだとか味違いはダメだとか
01:46そういう掟がありまして
01:48そうこう言ってられないんじゃないのと
01:51幸いにも消費者の皆さんはシャウエッセンの認知度が高いものですから
01:56こういうシャウエッセンスライスだとかピザにしても
02:00一度食べてみようというトライアルが
02:02通常の商品よりも非常に高いと
02:06こうしたブランド展開もあり
02:09今年二度の値上げを行ったにもかかわらず
02:12売り上げを伸ばしています
02:17さてもう一つ日本ハムというと
02:20やっぱりファイターズということで
02:22北海道のボールパークも大変な人気で
02:25ありがとうございます
02:26大成功でしたね
02:27ありがとうございます
02:30去年開業した北海道ボールパークFビレッジ
02:36北海道日本ハムファイターズの本拠地である
02:39エスコンフィールド北海道には
02:43野球観戦を楽しみながら宿泊できるホテルや
02:48世界初となる球場内温泉
02:52さらにはサウナまで楽しむことができます
02:58昨年は約40試合観戦しました
03:04心が現れるといいますか
03:07非常に自分にとっては大切な場所です
03:13今年で球団創設50周年を迎えた日本ハム
03:19創業者であり球団の初代オーナーの大子曽氏は
03:24食とスポーツの重要性から
03:26球団設立に至ったといいます
03:30創業者はもともと
03:35ハムソーセージの製造会社を立ち上げたんですけれども
03:40やはりタンパク質を摂ることが
03:44当時の子どもたちの成長に大きくつながるということが
03:50心に秘めておられて
03:53タンパク質を摂取するためには
03:56適度な運動が必要だと
03:59創業者が大好きな球団を買収するに至った
04:06こういうことです
04:09球場内のフードホールには
04:12日本ハムの自社製品を販売する直営店舗があります
04:19当社の一番のテーマである
04:23タンパク質というキーワードを
04:25お客様にもっと発信していこうということで
04:30若い方からお年寄りの方に
04:33全部に対して日本ハムの商品を食べることによって
04:40不足を解消していただこうと考えている売り場です
04:47一番人気なのがシャウエッセンを使ったホットドッグ
04:511日で1000食ほど売れるといいます
05:00うまい!
05:02これ食って応援しますわ
05:06長年シャウエッセンに携わってきた井川社長
05:11球場に来ると必ず食べるといいます
05:22その一方で
05:24食肉の未来にはこんな警鐘も鳴らしています
05:35日本ハムさんはタンパク質をもっと自由にというのを
05:41標語、キャッチフレーズに掲げていらっしゃいますね
05:44弊社はタンパク質の106%を供給しているということが一つです
05:51もう一つは我々の事業の中で
05:56大きく分けて加工肉と生肉
06:03こういう2つの部分があるんですね
06:08国内外に豚などを飼育する自社農場を148カ所持ち
06:15日本国内の食肉販売量のシェアおよそ20%を占めています
06:22気候変動によって我々の畜肉の餌である
06:28大豆、小麦、とうもろこしが取れなくなる
06:34今はタンパク質クライスというキーワードがありまして
06:39やはり2040年、2050年にはグローバルで
06:45タンパク質が不足してくるのではないかと
06:48タンパク質の確保というのは社会課題の中でも優先的な事項ですよね
06:54我々はそういう意味ではタンパク質供給メーカーでございますので
06:59植物肉であったり培養肉であったり
07:02新しいタンパク質の提案方法も考えないといけないですし
07:07それ以外にいろんな形でタンパク質を
07:11いろんなチャンスの中でご提案していくと
07:13こういうことも考えていかないといけないなと思っています
07:18さらに最近はカワセによるリスクも大きいといいます
07:24カワセの問題等々で日本が非常に買い負けしている
07:31いわゆる穀物にしてもお肉にしても
07:35買い負けするという時代が今続いているわけなので
07:39こういうことを考えていけば
07:42国内の受給率であったりそういうものを上げていかないと
07:48今円安が160円ぐらいですけど
07:52やっぱりこういう食肉確保している立場からすると
07:56飼料も上がる輸入肉も上がるでちょっと厳しいかなと思うんですけど
08:00カワセ相番については今言いたいことってありませんか?
08:04めちゃくちゃあります
08:06何とかしてくれと
08:08何とかしてもらいたいですね
08:10140円前半でずっとある程度安定してもらえれば
08:14我々の収益も安定しますけれども
08:17160円というのは非常に異常な価格ですね
08:21異常
08:23こういう状況が続くとコスト的に言うと
08:26もう一段の価格の改定みたいなのも考えていかざるを得ない
08:30せざるを得ないですね
08:32この先に待ち受けるタンパク質クライシスに備え
08:37今週新たな事業提携を発表しました
08:55日本ハムとJA全能は
08:57食肉の安定供給のため
09:00畜産技術の研究や共同配送など
09:03幅広い分野で連携することを発表しました
09:09JA全能さんとの提携というのも
09:12やはりこのタンパク質クライシスを
09:15乗り越えていくためということなんですか?
09:18もちろんですね
09:20そういう部分がベースにございます
09:23我々が調達できない場合は
09:25全能さんからいただいたりですね
09:28逆に全能さんの牛なんかを海外に
09:33例えば今後持っていけるようにすればですね
09:36もっともっと我々と全能さん自身もですね
09:40お互いのメリットが出てくるのではないかと
09:43将来のスマート養豚
09:47こういうこともお互いでやればですね
09:50もっとスピードが上がるよね
09:52スマート農業というのはよくあると思うんですけど
09:56日本ハムがタンパク質の安定供給のために取り組む
10:01スマート養豚プロジェクト
10:05AI人工知能によって豚舎の環境や豚の行動を解析し
10:11発情確率を自動で算出
10:15養豚場の生産性の向上とともに
10:18労働者の負担軽減につながると期待されています
10:23土日くらいはですね
10:26家族で1泊2日くらいの旅行ができるだとか
10:30養豚農家さんがね
10:32お食事がみんなでいけるだとか
10:35そういうような部分をですね
10:37我々提案していこうというような思いがありまして
10:41タンパク質クライシスを乗り越えるため
10:44井川社長はさらなる改革を目指します
10:48どうしても一本ハムというのは
10:53自前主義で今まで来ました
10:56農場を作って処理場を作って物流会社を作って
11:00冷蔵庫を作って販売会社を作ってですね
11:04何でも自分でやろうとした
11:06自前主義でやったと
11:08でも自前主義でですね
11:10自由にやろうと思ってもですね
11:12ある程度限られているんですよ
11:14競争と挑戦というワードも現場に発信しています
11:20共に作るというのは
11:23いろんなところとコラボしましょう
11:25そうしないとやっぱりタンパク質クライシスみたいな
11:29大きなテーマは乗り切っていけない
11:31おっしゃるとおりですね
11:33積極的にですね
11:35我々はチャレンジしていこうというふうに考えています
11:40シャオウエッセン食べますか
11:43おいしいですよね
11:45かじるとパリッと音がして
11:47なかなかお値段は結構いいですけどね
11:50さてタンパク質クライシスという話がありましたけれども
11:54世界の食肉の消費量は今後どうなっていくんでしょうかね
11:57こちらが世界の食肉の消費量です
12:002025年の時点では
12:02現在食べている従来の肉が90%を占めています
12:06これが2040年には従来の肉が40%まで半減し
12:11一方で大豆ミートなど植物由来の肉が25%
12:15培養肉が35%まで増えるとされています
12:19我々人口減少の国にいるとちょっとイメージしにくかったんですけれども
12:23世界的な人口の増大がまずあって
12:26その上に気候変動があって
12:28食肉の供給が従来のものは減っていくんじゃないかと
12:31こういう予想なんですね
12:33人口が90億を超えてきますんでね
12:36やはり優先順位は牛肉のですね
12:40生産を減らしていくってことが最優先だと思うんですね
12:44牛の飼育で水と飼料ですね
12:51穀物を大量に使うんですよね
12:53それがやっぱりCO2の排出を増やしてしまう方向にあるので
12:57肉でもやっぱり牛のところを相当減らす必要がある
13:01そこからやっぱり大豆の生産をもうちょっと増やして
13:04植物性のやっぱりタンパク質を取るように
13:07世界が変わっていかないと
13:08地球が持たないってことははっきりしてます
13:11このグラフでも植物由来のものっていうのを
13:14やっぱり増やしていかなきゃいけないと
13:16バイオニクが本当に35%までいけるかどうかはね
13:19まだちょっと分かりませんけどね
13:21名前をですね
13:23名前と風味を工夫していただきたいですね
13:25気候変動で飼料も取れなくなる
13:28肉の繁殖も落ちるっていうことが起きているわけですよね
13:32それから日本はやっぱり先ほど
13:34井川さんが買い負けとおっしゃってましたけど
13:36特有の事情があって
13:38経済力が落ちているとか
13:40それから円安になって
13:42物が買えなくなっているという現実があるわけですよね
13:44そうした中
13:46日本のタンパク質の摂取量というのは
13:48こんな風に変わっているんですね
13:50近年大きく減ってきています
13:521970年代から90年代半ばにかけては
13:5480グラム前後で推移していたんですが
13:562000年代は70グラムを下回る年もあります
13:59タンパク質
14:01戦後はどんどんどんどん取って増えたんだけども
14:04やっぱり経済の低迷の時代が影響しているのか
14:06やっぱりタンパク質の摂取量が減っているということがあるんですね
14:11これをどうやって解決していくかということは
14:14大変大きな問題だということですね

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