• 10 months ago
日本初の月面着陸で「100点満点」と評価された、無人探査機「SLIM」。世界初の「ピンポイント着陸」という快挙を支えたのが世界最先端の技術です。日本の技術が開いた“月への新たな一歩”を取材しました。

■世界初!「ピンポイント着陸」支えた鋳物企業

SLIMプロジェクトマネージャー 坂井真一郎氏
「新しい扉をもしかしたら自分たちは開いたのかもしれない」

 日本初の月面着陸に挑戦した無人探査機スリム。目標の誤差わずか55メートルの「ピンポイント着陸」に成功しました。

 世界初の快挙を支えた企業が、神奈川県小田原市にあります。「コイワイ」は、金属を溶かし、型に入れ固めて作る鋳物製品などを手掛ける企業。最新技術を使い自動車パーツ、医療部品などの試作・開発も行っています。

コイワイ 専務取締役 小岩井修二
「この装置がSLIMの部品を作った、金属積層装置になります」
「(Q.まさにこれで作られたと)そうです」

 こちらがその試作品。着陸時に潰れることで衝撃を吸収し、機体を守る役割があります。

コイワイ 専務取締役 小岩井修二
「(Q.ちょっとよろしいですか。軽いですね。何でできているんですか)アルミニウムです。一番大きい衝撃をここで吸収し、倒れるような姿勢になります。倒れた時に4つの脚で支える、2段階着陸というシステムになっています」

 スポンジ状の構造が潰れることにより、着陸の衝撃を吸収する仕組みです。JAXAの依頼で始めた共同研究。完成するまで3年の月日がかかりました。

 グループ会社の技術者は。

日本積層造形 製造部課長 栗田健也さん 
「(Q.どのくらい結局試した)試した数としては数十、数百。うまく機能してくれてまずはよかったなと」

日本積層造形 代表取締役社長 大竹卓也さん
「(Q.3Dプリンターで、どうやって作っていくんですか?)まさに1層1層ですね(金属を)焼き固めて行くことを続けてきます」
「(Q.こうやって出来上がっていくんですね。ミルクレープみたいな)そうですね。1層1層」

 これは出力を終えたばかりの製品映像。粉末を除去していくと見えてきたのが…。こんな複雑な形状でも作ることが可能です。

 技術者の監視の下“リモートで”製品を製造することも可能です。

日本積層造形 代表取締役社長 大竹卓也さん
「将来的には月の砂を使って、向こうに(月)置いた装置で造形するっていう時代も来る」

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