1944年10月10日。今から70年前の太平洋戦争後期、アメリカ軍による大規模な空襲を機に、沖縄は戦場と化していきました。地上戦が全土に広がり、民間人に甚大な被害が出る中で、障害者は「足手まとい」と置き去りにされたり、壕から追い出されたり、スパイ容疑で拘束されるなど、何重もの苦しみを体験したといいます。しかし多くの障害者たちは、そのあまりの凄惨さや戦後も続いた障害への無理解・差別から、固く口を閉ざし、実態はあまり知られていません。
あれから70年。先月沖縄で起きた辺野古への基地移設を巡るデモの中に、80歳になる視覚障害者のおじいもいました。「沖縄は、現在も戦後を生き続けている。だからこそ障害者として平和を訴えていく」――沖縄で戦争を生き抜き、これまで声を上げることができなかった障害者たちが、今、少しずつ語り始めました。
生活の地がひとたび戦場になると、一体どんなことが起きるのでしょうか。沖縄県在住の盲目のシンガー・ソングライター・大城友弥さん(24)とともに証言者を訪ね、その声に耳を傾けます。
───────────────────────
沖縄戦の事を、学生時代学校で講話として聴くことは有っても、障がいをもった方々から話を聴くと言うのは、今までなかった。
それも、実際に体験した方と向き合って話を聴くと言うことは祖母以外になかった。
なので、他の方々、それも、いろいろな障がいを抱えながら、実際に戦争を体験した方々へ聴くことは最初凄く不安を感じた。
みんな本当に正直に話してくれるのかな?・・・
でも、インタビューをしたとき、皆さん隠すこと無く正直に話してくれた。
読谷の神谷さんが言っていた戦時中食べる物に不自由していたとの話に、僕は何の苦労もなく、好きなものをいつでも食べられる事に感謝だなぁと感じた。
小禄の肢体不自由の屋富祖さんは僕と同じ視覚に障がいを持ったお姉さんがいて「私を置いて逃げて」と言っていたと言う話を聴き、凄く胸が痛く、苦しかった。
自分が足手まといになるからそう言ったかもしれないけど、僕だったら絶対に言えないし、又、家族もそうはしないと思う。
豊見城の聴覚障がいの西平さんは、飛行機や爆弾の音が聞こえなかったが、水に映ったB29を見て逃げたそうです。
なので、自分は運が有ったと言っていた。
なかでも視覚障がいの山田さんが「戦争の時、一番先に犠牲になるのは障がいを持った我々なんだ」と言っていた。
それは、全員が口をそろえて話してたこと。
とても心が痛かった。
なぜ障がい者が先に犠牲にならなきゃ行けないのか?
今の僕には想像がつかない。
なぜなら、今の僕は凄く恵まれているから。
だから「もし、今戦争が起こったら・・・・」と考えると、正直怖い。
考えたくもない。
しかし、沖縄では今、辺野古への基地移設の問題が有る。
ニュースにもなっていたけど、反対運動をしている人たちと、海上保安の人たちとの対立、トラブル、そういう報道を聴くと、それも一つの戦争のような気がしてならない。
みんな平和を願っているはずなのに、なぜいがみ合うんだろう・・・
僕が書いた「大切なもの」と言う曲のなかに「なぜ人は争うのだろう、この綺麗な地球のなかで・・・」と言う歌詞が有るけど、改めて今、本当にそう思う。
平和のための戦争なんておかしい。
基地って必要なの?
世界中の人たちが平和を願っているなら、基地って必要ないよね。
今回皆さんにインタビューをさせて頂いて感じたことは、みんな辛いこと、悲しいことが沢山有って、一つ一つ思い出すのにとても苦しかったはずなのに、隠すこと無く一生懸命伝えようとしてくれたんだなぁと思った。
僕は歌をうたっているので、歌を通して平和のメッセージを伝えて行こうと改めて強く思った。
番組のナレーション録りをして、ますますその思いが強くなった。
全く初めての事で、最初は凄く緊張したけど、練習をしていくうちに、だんだんとイメージが膨らんできた。
収録本番、バックに流れるBGMや効果音を聴きながら声を入れていくと、当時の状況が想像でき、感情を込めて読むことができた。
音が有るのと無いのとでは、やっぱりちがうなーっておもった。
愛用の音声点字携帯情報端末に原稿を入力し、点字に”変換”された文字を読んでの収録です。
実際に生の音を聴きながら、声を入れていくうちに「もし自分がその場に居たら・・・」
爆音の激しい音、それに、爆弾が上から落ちて来る様子。
逃げ遅れたらどうしよう・・・
もし目の前で、自分の家族や友達が亡くなったら・・・
そういう事を想像すると、怖いし、胸が痛い。
正直、戦争体験の話や、貧しい国の現状、あるいは、心痛い事件(親が子を、子が親を殺す)等、そういう話は聴きたく無かったし、聴くのもいやだった。
自分には想像もできないし、自分の好きな事、楽しい事だけをやって行きたいという気持ちが強かった。
でも、今回障がいを持った年配の方々から、話を聴いていくうちに、そういう現実から逃げてはいけない。
悲しいことや、辛いことを受け止めなければ、本当の平和って生まれないんじゃないかなー!
まだ時間はかかるけど、少しずつ耳を傾けて行きたいと思います。
あれから70年。先月沖縄で起きた辺野古への基地移設を巡るデモの中に、80歳になる視覚障害者のおじいもいました。「沖縄は、現在も戦後を生き続けている。だからこそ障害者として平和を訴えていく」――沖縄で戦争を生き抜き、これまで声を上げることができなかった障害者たちが、今、少しずつ語り始めました。
生活の地がひとたび戦場になると、一体どんなことが起きるのでしょうか。沖縄県在住の盲目のシンガー・ソングライター・大城友弥さん(24)とともに証言者を訪ね、その声に耳を傾けます。
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沖縄戦の事を、学生時代学校で講話として聴くことは有っても、障がいをもった方々から話を聴くと言うのは、今までなかった。
それも、実際に体験した方と向き合って話を聴くと言うことは祖母以外になかった。
なので、他の方々、それも、いろいろな障がいを抱えながら、実際に戦争を体験した方々へ聴くことは最初凄く不安を感じた。
みんな本当に正直に話してくれるのかな?・・・
でも、インタビューをしたとき、皆さん隠すこと無く正直に話してくれた。
読谷の神谷さんが言っていた戦時中食べる物に不自由していたとの話に、僕は何の苦労もなく、好きなものをいつでも食べられる事に感謝だなぁと感じた。
小禄の肢体不自由の屋富祖さんは僕と同じ視覚に障がいを持ったお姉さんがいて「私を置いて逃げて」と言っていたと言う話を聴き、凄く胸が痛く、苦しかった。
自分が足手まといになるからそう言ったかもしれないけど、僕だったら絶対に言えないし、又、家族もそうはしないと思う。
豊見城の聴覚障がいの西平さんは、飛行機や爆弾の音が聞こえなかったが、水に映ったB29を見て逃げたそうです。
なので、自分は運が有ったと言っていた。
なかでも視覚障がいの山田さんが「戦争の時、一番先に犠牲になるのは障がいを持った我々なんだ」と言っていた。
それは、全員が口をそろえて話してたこと。
とても心が痛かった。
なぜ障がい者が先に犠牲にならなきゃ行けないのか?
今の僕には想像がつかない。
なぜなら、今の僕は凄く恵まれているから。
だから「もし、今戦争が起こったら・・・・」と考えると、正直怖い。
考えたくもない。
しかし、沖縄では今、辺野古への基地移設の問題が有る。
ニュースにもなっていたけど、反対運動をしている人たちと、海上保安の人たちとの対立、トラブル、そういう報道を聴くと、それも一つの戦争のような気がしてならない。
みんな平和を願っているはずなのに、なぜいがみ合うんだろう・・・
僕が書いた「大切なもの」と言う曲のなかに「なぜ人は争うのだろう、この綺麗な地球のなかで・・・」と言う歌詞が有るけど、改めて今、本当にそう思う。
平和のための戦争なんておかしい。
基地って必要なの?
世界中の人たちが平和を願っているなら、基地って必要ないよね。
今回皆さんにインタビューをさせて頂いて感じたことは、みんな辛いこと、悲しいことが沢山有って、一つ一つ思い出すのにとても苦しかったはずなのに、隠すこと無く一生懸命伝えようとしてくれたんだなぁと思った。
僕は歌をうたっているので、歌を通して平和のメッセージを伝えて行こうと改めて強く思った。
番組のナレーション録りをして、ますますその思いが強くなった。
全く初めての事で、最初は凄く緊張したけど、練習をしていくうちに、だんだんとイメージが膨らんできた。
収録本番、バックに流れるBGMや効果音を聴きながら声を入れていくと、当時の状況が想像でき、感情を込めて読むことができた。
音が有るのと無いのとでは、やっぱりちがうなーっておもった。
愛用の音声点字携帯情報端末に原稿を入力し、点字に”変換”された文字を読んでの収録です。
実際に生の音を聴きながら、声を入れていくうちに「もし自分がその場に居たら・・・」
爆音の激しい音、それに、爆弾が上から落ちて来る様子。
逃げ遅れたらどうしよう・・・
もし目の前で、自分の家族や友達が亡くなったら・・・
そういう事を想像すると、怖いし、胸が痛い。
正直、戦争体験の話や、貧しい国の現状、あるいは、心痛い事件(親が子を、子が親を殺す)等、そういう話は聴きたく無かったし、聴くのもいやだった。
自分には想像もできないし、自分の好きな事、楽しい事だけをやって行きたいという気持ちが強かった。
でも、今回障がいを持った年配の方々から、話を聴いていくうちに、そういう現実から逃げてはいけない。
悲しいことや、辛いことを受け止めなければ、本当の平和って生まれないんじゃないかなー!
まだ時間はかかるけど、少しずつ耳を傾けて行きたいと思います。
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