• 10 年前
2014年1月25日放送
第8回「山形・高畠 日本一の米作りをめざして」
有機農業の米作りを中心に独自の道を歩んできた山形県高畠町。
戦後の歩みは、猫の目のように変わる農政のなかで、農家が自立を模索し続けた歴史だった。
敗戦後の希望に燃えた米増産時代から急転回の「減反」。
農業の近代化に伴う「機械貧乏」や「出稼ぎ」。
時代の荒波を乗り越えようと、高畠の青年たちは国が 推進する規模拡大の道ではなく、有機農業へと進んだ。
その活動は有吉佐和子の「複合汚染」で紹介され、安全な食を求める都会の消費者たちとの産直提携が誕 生した。
しかし、高畠でも農家の高齢化や兼業化が進み、多くの農家は農薬や化学肥料に頼り、農薬の空中散布が広がっていく。
健康被害が明らかになる中、 1986年、その是非を巡って、町を二分する激論が行われた。
その後、町は、空中散布の中止へと舵を切る。
そして日本一おいしい米作りをめざしていく。
いま、TPP参加へと向かう中、高畠町でも急速に兼業農家の離農が進み、地域農業崩壊への不安が広がっている。
そんな中、専業農家が力をあわせ、離農する 農家の田圃を代わりに耕して、地域の農業を守ろうという新たな動きも生まれている。
時代の激流のなかで、安全でおいしい米作りをめざして格闘してきた高畠の戦後をみつめる。

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