• 10 年前
癒せぬ心の傷。戦後初の沖縄戦トラウマ調査 蟻塚亮二(精神科医)ラジオ・インタビュー。
沖縄の高齢者の間で、原因不明の「身体の痛み」や「不眠」を訴える人が多かったことから、調べたら地上戦の体験者が「遅発性のPTSD(戦争トラウマによるストレス障害)」を発症していたという。
記憶というのは時間が経つと「冷めた記憶」になるものだが、あまりにも過酷な戦争体験がいまだに「熱い記憶」として残っていて、戦争体験を語り部として語ると三日眠れなかったり、近親者の死や認知症の発症などをきっかけに再び鋭くせまってきてその人を苛んだりしているという。
遺体を踏んだ記憶から、原因不明の足の痛みで何年も外に出られなかったひとがいて、もしやと思って戦争のときのことを聞いてみた。その体験を信頼できる医師に話し、涙をながすことでトラウマから解放されて歩いて帰ったそうだ。
あまりにもつらい経験なのでタブーとされていて、子や孫にも話せず、聞くのもはばかられるので今までわかっていなかったのが、しばらくまえに初めて大規模調査を行ってそういうことがわかってきたそうだ。
もちろん戦争でトラウマを抱えた人は沖縄だけではないので、大空襲とかのせいで同じような状況に苦しむひとがいるだろうけど、まさかそれが原因とは医師も思わないので理由もわからず、合わない薬を出されて放置みたいな人も多いだろうということ。

トラウマは震災とかも同じなので、沖縄の経験を生かして蟻塚亮二さんは、今福島県相馬市でなごみクリニックの所長となり、震災・原発事故被災者のトラウマ治療ケアに当たっている。2〜3年経ってそのトラウマが発症する、晩発性PTSDがあると、国内だけではなく、世界にも発信している。

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