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2011年本屋大賞2位、「本の雑誌」が選ぶ2010年度ベスト10の1位に選ばれ、第 24回山本周五郎賞を受賞し話題をさらった窪美澄の小説、『ふがいない僕は空を見た』(新潮文庫刊)。「性」と「生」を真正面から描いた話題の短編連作が、ついに映画化された。監督は、日本映画監督協会新人賞を受賞した 08年の『百万円と苦虫女』や同年の『俺たちに明日はないッス』で青春時代の葛藤を鮮やかに描き、今、最も次回作が待たれている気鋭・タナダユキ。長編映画としては実に4年ぶりの新作である。
脚本を手がけたのは、『俺たちに明日はないッス』でもタナダ監督とタッグを組み、『リンダ リンダ リンダ』『マイ・バック・ページ』を手がけた向井康介。1章ごとに語り手となる主人公が入れ替わる原作を、映画ならではの感動と生々しさの詰まった物語として再構築している。ダブル主演を務めるのは、永山絢斗と田畑智子。『ハードロマンチッカー』や『ぱいかじ南海作戦』などで多彩な魅力を放つ永山と、『血と骨』『隠し剣 鬼の爪』などで確かな実力を見せる田畑は、複雑な思いを抱える難役に挑戦。卓巳の「葛藤」とあんずの「闇」、ふたりでセックスしているときの「喜びと切なさ」を魅力たっぷりに体現。ほか、助産師である卓巳の母・寿美子に、圧倒的な存在感で物語にリアリティを加えるベテラン原田美枝子。痴ほう症の祖母と団地に暮らす卓巳の親友・福田に、『十三人の刺客』の窪田正孝。“団地から脱するための武器 ”である勉強を福田に教える田岡に、『わが母の記』の三浦貴大 ……と、個性あふれる実力派もタナダ組の元に集結し、印象的な芝居で世界観を彩っている。今作の登場人物たちは皆、やりきれない思いや行き場のない感情を抱いている。彼らは自身の苦悩や葛藤とどのように向き合い、乗り越え、どう新たな一歩を踏み出していくのか? 弱くても必死にもがいて生きていく人々の姿を切なく描いた、静かな衝撃作が誕生した!

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