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01:20これは私小川住レコと口の減らない友人 足立信連との
01:26ささやかな友情と別れの記録だ
01:31既読になってねー どうなってるん
01:37おかけになった電話は現在電波の届かない場所にあるかでんっ
01:44ん
01:54おはようございますおはようお父さん
02:03うなめ先生またお世話になってしまってすみません いいのよ夏休みだから今日は私も休みだしね
02:13お父さんが朝ごはんラーメンがいいって言ったから 張り切っちゃった
02:22はっはっは
02:30おかけになった電話は現在 届かない場所にあるか
02:36さっきよっ
02:42ごちそうさまでした 美味しかったはいこんなに豪華なラーメン初めてでした
02:49よかったわー またいつでも遊びに来ていいのよ
02:53ありがとうございます
02:58それで うん
03:01うなめ先生に お願いがあります
03:07何かしら
03:11うん
03:16ん
03:19ん
03:25先生 よろしくお願いします
03:31分かった 任せておいて
03:37ではこれで失礼します 良い旅をね
03:44先生 ありがとうございました
03:55気をつけて
04:13ん
04:25おう えっ
04:28おっさん どうしてここに
04:32本来ならこんなとこに来ないけどなぁ 近頃猫がうろついてったろう
04:38君の魂胆はわかってるからさちょっと忠告にな 忠告明日は出発なんだろう
04:46だとしたら 僕の魂胆てなんだよ
04:50言っていいのか 何を
04:54お前さん妹と一緒に帰るつもりないだろう おっと
05:01もうすぐ猫が来るぜ
05:08ん
05:15に何かあった 音ちょっと聞いてほしいことがあるんだ
05:22ん 明日の夕刻の電車で僕たちは帰ることになったんだよ
05:29でね 初めの電車には音だけが乗っていくんだ
05:34私だけ 通して
05:38僕はいろいろやることが残ってるからさ 一本後の電車で追いかける
05:45じゃあ私もレンリーと一緒の電車で行く 切符の都合でそれは無理なんだ
05:52だから音が先に入って 僕はすぐに追いつくから
05:58ん
06:03私今日もお泊まりしていい いつ帰ってくる明日の朝
06:09必ず帰っておいで
06:21ん
06:24ん 誰
06:27ん
06:29あんたが妹かに何かよ神隠しの妹とか言ってるそうだけど ほんと
06:38そんなこと信じてるんだ
06:43ん
06:45レンリーの邪魔をしてるのはあなたねー
06:50ああああああ あんたもそのレンニーと一緒に死んでもらおうかにゃ
06:56やめろ 音はお前とは何の関係もない
07:02手出しをするな言ったよね君が会をいろいろと消していっちゃうのが困るんだよね じゃあ大丈夫だ
07:11音も僕もすぐいなくなるもうお前の邪魔はしない マジで言ってるマジで言ってる
07:18うーん そこぞ
07:22私の新作を読む約束はどうなってるんだよ じゃあさあもう私の前に現れにゃいってことか
07:30そういうことになる
07:34本当だとしたらグッドニュースだにゃーどうやってそれを証明してくれるのかにゃ 今日の夕方の電車に乗る
07:42そしたらいなくなる お前ならそれを察知することくらいできるだろう
07:49にゃるほどじゃあ今すぐ殺すのはやめといてやる その代わり嘘はつくにゃよつくとしても一つだけかな
07:58にゃんっ でも僕が今日いなくなるのは嘘じゃない安心しろ
08:05ふーん命拾いしたんにゃ お前ら引き上げるぞ
08:19昨の月は闇の真中で暗く暗く染まる 三日月の矢は東を射抜いて
08:26早く早く走る 弓張月は沈む刹那に丸く丸く振れる
08:33十五夜の影を追いかけてぐるりぐるり回る
08:41ん
08:43ん
08:54さあ戻ろう
08:58ん
09:12音 そろそろ出発の時間だよ
09:18ホームに行こうか 僕たちはこれから幸せになるんだよ
09:28ん
09:32じゃあ音 僕は後から行くから待っているんだよ
09:40私 年にの本当の妹だって
09:4410年間信じて生きてきたんだよ
09:49でもこの前思い出した 何かが私の前に現れてきっと兄が私を追ってきたんだと思って
09:58縁に入って呼んだの でも違った
10:03あの時私が天に入って読んだから あなたは私のレンという会員になったんでしょ
10:12そうかもしれないね だから私はレンリーに呪いをかけることだってできるの
10:20どういうことだい レンリーは私が幸せになった姿を見ることができない
10:27そのことにレンリーは耐えられない だから私たちはもう一度出会わなければならないの
10:34これが呪い もちろんすぐにもう一度出会うさ
10:40それがレンリーの たった一つの嘘だね
10:46あなたから惑星の後ろまでお伝えください
10:53レンリー 今までありがとう
11:06忘れない
11:10さようなら
11:30あいつ本当に威虐にあった
11:34十五夜の影を追いかけてぐるりぐるり回る
11:40はあ、これはこれは
11:46おチビトとは珍しい
11:48アダシノ君が言ってたのは君か
11:51えっ
11:55アダシノ君の未練は君と一緒に風呂に入ることだったらしいぜ
12:02おっさん、なんでそんなこと
12:04もう電車は発車しちまった
12:07でも乗ったのは妹だけだ
12:10えっ、じゃあアダシノ君は
12:13妹とアダシノ君が本当の兄弟じゃないのは知ってたかい
12:18いえ
12:20ていうかどういうこと
12:22あいつ、ついに白状したぜ
12:25向こうにはオトの本物のレンニーがいるんだってな
12:30本物のレンニー
12:34俺の名前を知りたいのかい
12:37いや、尋ねていないが
12:39人は俺をこう呼ぶ
12:41時空のおっさんとな
12:44お前さんとはまた会うこともあるだろう
12:52あなたの新作を僕に読ませてください
12:56僕はあなたのファンなんです
12:58責任取って
13:00新作は絶対読んでもらうからな
13:03約束します
13:10はい
13:12おはようございます
13:14うなめでーす
13:16えっ、うなめ先生
13:18ごめんなさいね
13:20メールアドレスとか聞いてなかったから
13:22いきなり来ちゃって
13:24急ぎの用があったもんだから
13:26すみません
13:28うなめ先生
13:29すみません
13:30うなめ先生
13:31すみません
13:32すみません
13:33すみません
13:34すみません
13:35すみません
13:36すみません
13:37すみません
13:38急ぎの用があったもんだから
13:41さすがね
13:43小説を書いてる人っぽい
13:46すみません
13:47今これしかなくて
13:49夏休み中だからオッケーよ
13:52あら、前に言ってた小説
13:55完成したの?
13:57夢を実現したのね
13:59いえ、まだ完成は
14:01それより急ぎの用って何ですか?
14:04そうだったわね
14:05これ
14:07オトちゃんの
14:08おとといオトさんが来てね
14:10私が動画を撮ってあげたんだけど
14:13絶対に今日までは
14:14団地妻に見せないでって
14:16頼まれて
14:18オトちゃんの動画?
14:20そうなの
14:21今見る?
14:23もちろんです
14:32えっと
14:34団地妻と会わないで
14:35私はいなくなるけど
14:37ごめんなさい
14:40団地妻と一緒に学校に行ったね
14:43お風呂屋さんにも行ったね
14:45私のこと
14:47お泊まりさせてくれたね
14:49しずくさんのために一緒に頑張ったね
14:53ラーメン送ってくれたね
14:55美味しかった
14:57のどかのこと
14:59助けてくれたね
15:03私一度も
15:05お礼を言ってなかったから
15:07だから
15:09今言うね
15:15ありがとう
15:17すみれいこさん
15:22ごめんなさい
15:24すみれいこさん
15:33お父さん言ってたのよ
15:36すみれいこさんに会えたから
15:38こっちの世界が
15:40とってもとっても
15:42面白かったんだって
16:02確かこの辺りだったが
16:32おやお嬢ちゃん
16:34久しぶりだね
16:37何年ぶりだい
16:39ご無沙汰してすみませんでした
16:41あの
16:43いつかのお礼にこれ
16:46新しい本をお持ちしました
16:49お納めください
16:52新しい本も久しぶりだよ
16:57すぐに読むからさ
16:59店の中でも見ててよ
17:01どうぞおしよう
17:14愛してるわけないじゃないか
17:16その瞬間
17:17ユリアが僕の後ろを見て小さく笑った
17:20後ろを見た僕は
17:21もうすべてが終わったのだと知った
17:24立っていたのは妻だったのだ
17:26そして表情一つ変えることなく
17:28冷たい声で口にした
17:30どうぞお幸せに
17:32やっと見つけた
17:35お嬢ちゃん
17:37はい
17:39ねえ
17:40この小説に出てくる神隠しは
17:43どうしてこの女主人公が完成させた新作を
17:47結局読まないのだろうね
17:49それは
17:51私にもわからないんです
17:55これはお嬢ちゃんが書いたのに
17:57自分でもわからないんだね
17:59はいすみません
18:01私は思うんだ
18:03この神隠しはね
18:05読むと約束した新作を読まなかった
18:08つまりこの世にわざと未練を残している
18:11未練を残してこの場所にとどまろうとしているんだ
18:15それほどにこの世界の何かを愛していたんだね
18:19どうしてそんなことがわかるんですか
18:22何万冊も本を読めばね
18:25少しはわかるようになるのさ
18:28私そこを書き直します
18:31それはだめだよ
18:33この小説の中では主人公はそのことを知らないから
18:37物語が成り立っているんだ
18:39書き直したら神隠しの気持ちが終わってしまう
18:43気持ちが終わる
18:45さあ私はこれをもう一度読むから
18:48悪いがしばらく待っててくれ
18:58あ
19:17私のくん
19:19私のくんなら聞いてくれ
19:22実はまだ言ってなかったことがある
19:25君がいないと私はだめみたいなんだ
19:28何かを書けるような気がしない
19:31君がいろんなことを教えてくれないと
19:34つまり
19:37君が必要なんだ
19:43私のくん
19:45君が必要だったんだ
19:49一緒に風呂には入らないけどな
19:55いやあだしのくんが復帰してくれて助かったよ
19:59今日日なかなかバイトも見つからなくてね
20:02君が休んでる間大変だったんだから
20:05すみませんでした
20:07そういえばまた100万匹の本があったんだ
20:11珍しい本だから小川さんにあげるよ
20:14ありがとうございます
20:16何の本ですか
20:18欲しけりゃやるさ
20:21何か書いてある
20:23ん
20:25私は幸せに暮らしています
20:30またあいつと遊べるってわけにゃ
20:34誰が書いたんだろうな
20:38いつかオトが
20:40すみる子さんの新刊を買いに
20:42この店に来るような気がします