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日曜スクープ
【ガザ最大病院突入】院内制圧で“ハマス拠点主張”人質解放の協議は
(2023年11月19日)

パレスチナ自治区のガザ地区で攻撃を継続するイスラエル軍は16日、同地区最大のシファ病院付近で、イスラム組織「ハマス」に拉致され、人質となっていたイエフィディト・ワイスさん(65)とイスラエル軍兵士のノア・マルシアーノさん(19)の2人の遺体を発見した。ハマス側は、アリエ・ザマルノビッチさん(86)の遺体が映った映像を公開した。イスラエル軍は10月30日、ハマスにより人質となった女性兵士を地上作戦で救出したと発表した。米シンクタンク・戦争研究所によると、イスラエルの戦時内閣に所属するガンツ前国防相は15日、ガザでの軍事攻撃について言及し、「目標が達成するまで戦争を止めることはない」と、ハマス壊滅に期限がないことを強調した。

ロイター通信によると、イスラエルとハマスを仲介するカタールは、3日間の停戦と引き換えに、ハマスが拘束する人質50人を解放することを条件に交渉した。ハマスは大枠で合意しているが、イスラエル側が合意しておらず、詳細な条件を巡り、駆け引きが続いている。一方、バイデン米大統領とカタール・タミーム首長が17日、ハマスが拘束する人質解放に関する協議を行った。バイデン大統領は「これ以上、遅れることなく解放することが、緊急に必要である」とカタール側に強く要請した。この協議を巡り、イスラエルのネタニヤフ首相は14日、解放する人質の人数を増やすよう、カタールのタミーム首長に圧力をかけることをバイデン大統領に求めていた。米ワシントンポスト紙は19日、イスラエルとハマスが、ガザに監禁されている人質女性と子どもの解放を引き換えに、5日間の戦闘停止に応じる方向で合意に近づいていると報じた。米ホワイトハウスは、「合意に達していないが、努力を続ける」とコメントした。

イスラエル軍は13日、ガザ北部にある「ランティシ小児病院」の地下室から、爆発ベルトや手榴弾など多くの武器を発見したことを明らかにした。15日未明には、イスラエル軍はガザ最大のシファ病院に突入し、「シファ病院内の特定エリアで、ハマスに対する正確かつ的を絞った作戦を実施している」と発表した。同軍のハガリ報道官は16日、シファ病院、ランティシ小児病院などへの突入作戦に言及し、「ハマスは、テロ活動を地上、地下の両方で行っている」と、病院の施設がテロ活動に使用されていると主張した。米国防総省のシン副報道官は14日、米諜報機関が入手した情報として、「パレスチナの武装組織はシファ病院から指揮統制を行っている。この施設に武器を保管し、イスラエルの軍事作戦に対応できるよう準備している」と指摘した。

★ゲスト:小泉悠(東大先端研)、立山良司(防衛大学校名誉教授)
★アンカー:木内登英(野村総研エグゼクティブエコノミスト)

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