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ガイアの夜明け【円安サバイバル 今こそ世界に打って出る!】
2023.08.04 22:00
円安や原材料価格の高騰で苦境に立たされる企業が増えるなか、商品力や新たな販売方法を武器に海外輸出に活路を見出そうと動き出したメーカーがある。あずきバーで知られる井村屋が挑むのはアメリカ。「甘い豆」を食べる習慣のない市場をどう開拓するのか?「金属加工」の街として知られる燕三条エリアのハサミメーカーが挑むのは台湾。その技術を生かしたピーラーは高品質だが高価格が課題。廉価品が広がる市場へどう売り込むのか。円安を逆手にとり、今こそ世界に打って出ようとする企業の取り組みに密着する。

■看板商品「あずきバー」 50年目のリニューアルとは!?
明治時代に羊羹屋として創業した井村屋グループ(三重県津市)。今年発売50周年を迎える看板商品「あずきバー」は、2021年度にシリーズ全体で年間3億本を突破した国民的商品だ。その井村屋がいま力を入れるのが海外輸出の拡大。その指揮をとるのが海外貿易室長の井村慎さん。井村さんたちが始めたのは、これまで使っていた原材料の1つ「コーンスターチ」を使わず「小豆」の占める割合を高めること。アメリカでは原材料品目がより少ない、シンプルな商品にニーズがシフトしているという調査に基づいたもの。さらに、原材料高のなかでより安定的な確保ができる「小豆」の比率を高めることも可能になる。しかし、実際にコーンスターチを抜いて作ってみると小豆がアイス全体に均等にいき渡らないことが分かった。果たしてリニューアルを成功に導くことができるのか・・・!?

■巨大市場アメリカ 開拓の秘策とは!?
日本の食品輸出の中で右肩上がりの成長で注目を集めている品目がアイスクリームだ。2022年の輸出額は65億円と10年前と比べ8倍に。きっかけの一つは和食ブーム。さらにコロナ禍で冷凍インフラが広がったことに加え、昨今の円安も追い風に。各社が海外輸出に力をいれるなか、井村屋グループも主力の「あずきバー」の輸出に力を入れる。狙うは巨大市場アメリカ。しかし、豆をおかずとして食べることはあっても、デザートとして食べる習慣がない。拡大にはまずは認知してもらうことが必要。そこで井村さんが取った市場開拓の秘策とは!?

■円安を追い風に!金物の町から世界への挑戦
理美容用はさみの生産本数で国内トップクラスを誇るシゲル工業(新潟県燕市)。円安や原材料価格の高騰が業績に暗い影を落としていた。そこで新たな市場を開拓しようと開発したのが金属加工の技術を生かしたピーラー。しかし、これまでOEM生産が中心で、メーカーとしてのブランド力が低く、消費者へ直接販売する力が弱いのが課題だった。そこで頼ったのがニューワールド(福岡市)の井手康博社長。モノづくり企業の商品に特化したECショップを自ら運営するとともに、クラウドファンディングを使った海外市場への展開を支援している。さっそく、シゲル工業のピーラーを売り込もうと台湾に乗り込んだ井出さんだがそこには価格の壁が…。高品質がウリだが低価格の類似商品が出回る台湾で果たして客に手にとってもらえるのか?

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