BS-TBSドキュメントJ「生きることを選んで」水の都、島根県松江市。日本で7番目に大きな湖、宍道湖に抱かれる街です。宍道湖はシジミなどの魚介類に恵まれ、夕日が美しいことで知られます。その宍道湖をこよなく愛し、家族とともにその湖畔に暮らす山陰放送報道部の谷田人司さん(50歳)2020年10月24日

  • 4 年前
BS-TBSドキュメントJ「生きることを選んで」水の都、島根県松江市。日本で7番目に大きな湖、宍道湖に抱かれる街です。宍道湖はシジミなどの魚介類に恵まれ、夕日が美しいことで知られます。その宍道湖をこよなく愛し、家族とともにその湖畔に暮らす山陰放送報道部の谷田人司さん(50歳) 2020年10月24日
水の都、島根県松江市。日本で7番目に大きな湖、宍道湖に抱かれる街です。宍道湖はシジミなどの魚介類に恵まれ、夕日が美しいことで知られます。その宍道湖をこよなく愛し、家族とともにその湖畔に暮らす山陰放送報道部の谷田人司さん(50歳)。現在は、在宅でテレビ番組の企画立案などを担当します。かつて地元では名物記者として知られ、記者時代は精力的に多くの取材を担当。記者という職業にこの上なく愛着を感じていた谷田さんでしたが、2008年筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症。筋肉が次第にやせ、身体が動かなくなるこの病によって谷田さんは1年あまりで車椅子生活に。仕事を断念せざるを得なくなりました。その後、呼吸筋が侵されたため気管切開をして人工呼吸器を装着。食事は流動食となり、声を失いました。コミュニケーションの道具として使っているパソコンのキーボードを打つ手の動きも悪くなっています。身体の自由がきく、残された時間をどう過ごすのか? 谷田さんは絶望して死を望む患者に「身体の自由が失われても生きる意味」を訴えています。また、記者時代の経験を生かして療養しやすい社会づくりを行政に求めるなどの活動も続けています。そんな谷田さんを支えるのは、妻・佳和子(みわこ)さん(47歳)。かつて多忙を極め家庭を顧みない夫との離婚を考えたこともあるといいますが、今は「病の夫を支えるのが私の使命」だといいます。人工呼吸器の装着を「生きたいと思うのが当たり前」と振り返る谷田さんは、一人の患者をとても気にかけています。島根県出雲市の奥井学さん(63歳)です。近く人工呼吸器が必要になるとみられますが、「呼吸器をつける気はない」と宣言します。谷田さんは語りかけます。「生きる意味はある、共に生きよう」と…。
※すべて番組制作当時(2012年2月)のものです。
※谷田人司さんは放送後,山陰放送を退社。また登場人物のうち、奥井学さんと鴨下雅之さんは亡くなられました。
https://www.bs-tbs.co.jp/news/documentj/episode/?mid=documentj

谷田さんは語りかける。「生きる意味はある、共に生きよう」と。
最後の取材
そんな元記者の谷田さんが「最後の取材」をしたいと言い出した。
そのテーマは「閉じ込め症候群」とも言われるTLS(Totally Locked-in State)。
谷田さんは、東京都の鴨下雅之さん(52歳)と家族に取材の許可を取り付けていた。
鴨下さんは、難病ALSが進行して身体が一切動かず、意識がはっきりしていながら意志を表現できない。谷田さんにとっては、自分が将来陥るかもしれない状態だ。誰ともコミュニケーションがとれないこの状態に陥ったときに患者は、そして家族はどう生きていくのか?
谷田さんは「多くの人に伝えておきたい、記者として最後の仕事だ」と、笑顔で語り取材に向かった。
そこで見いだした「生きる意味」とは?
https://www.minkyo.or.jp/program/special/sp26/