映画『サンセット』本編映像
  • 5 年前
『サウルの息子』ネメシュ・ラースロー監督最新作『サンセット』。

長編デビュー作『サウルの息子』で第88回アカデミー外国語映画賞、第73回ゴールデン・グローブ賞、第68回カンヌ国際映画祭グランプリを同時受賞という快挙を成し遂げたハンガリーの若き巨匠、ネメシュ・ラースロー監督。世界中に与えた同作の衝撃は、3年の時を経た今も記憶に新しい。そんな彼の待望の最新作『サンセット』の日本公開が決定した。

舞台は1913年オーストリア=ハンガリー二重帝国時代に栄華を極めたハンガリーのブダペスト。一人の若い女性が見つめた第一次世界大戦前、ヨーロッパの中心都市の繁栄と闇を描く同作は、ヴェネチア国際映画祭でプレミア上映され、国際批評家連盟賞を受賞。第91回アカデミー賞外国語映画賞ハンガリー代表に選出された。

公開に先駆け、本編映像が解禁になった。

全編35mmフィルム、ブダペストに巨大なセットを設営しての撮影だった本作。解禁された<レイター帽子店30周年祝いの様子>では、ジョルジ・サカーチを筆頭とした衣裳担当入魂の美しい帽子や衣装の数々や、撮影担当としてアメリカや南米の作品でも活躍するエルデーイ・マーチャーシュによる木陰と日差しのコントラストなど、細部にまでこだわりを見せたネメシュ監督の世界が堪能できる。

1913年、主人公イリス(ユリ・ヤカブ)は両親の遺したレイター帽子店で働くことを志願しブダペストにやって来るも、現在のオーナーであるブリル(ヴラド・イヴァノフ)にすげなく追い返されそうになる。自らに兄がいたことを知った彼女は、かつて自分をトリエステに送った孤児院を訪ねるが、兄が伯爵を殺していたことを知らされる。ブリルが何か知っているはずだと確信する彼女は、大きな公園で行われるレイター帽子店の30周年行事に一人乗り込むが…。

果たしてイリスは生き別れの兄に辿り着くことが出来るのか、そしてレイター帽子店の運命は―。