• 8 年前
「被災した熊本に募金をお願いします」。18日、JR仙台駅西口のペデストリアンデッキで、熊本市の熊本マリスト学園2年の杉沢真生(まさき)さん(16)が1人で募金活動を始めた。

 仙台市青葉区出身。東日本大震災が起きた時は小学5年生だった。特待生に選ばれ、寮生活で勉強に専念できると学園に進学。熊本地震も経験するとは夢にも思わなかった。

 「3.11を思い出した。僕は震災を経験している。周りに避難を指示した」。14日午後9時26分、熊本市東区の男子寮で経験した震度6弱の前震を振り返る。

 寮の壁は全て剥がれ落ちた。近所のブロック塀はがれきの山となり、寮生約60人の大半が親元へ帰った。

 16日午前1時25分ごろ、校舎会議室で男子寮生12人と雑魚寝をしていて震度6強の本震に見舞われた。学園から帰省を促され、同日午前10時、タクシーに相乗りして福岡空港へ向かった。普段2時間の道のりが渋滞で5時間かかった。

 「他者のために生きる」。仙台の実家で考え続けていた杉沢さんが思い出したのは、キリスト教精神に基づく学園の校訓だった。

 学生証を大きくカラーコピーし、首から提げた。手作りの募金箱を抱え、勇気を振り絞って街頭に立った。「3.11でたくさんの支援を熊本から受けました。今、私たちが支援する番です」。メッセージボードに書いた。募金は仙台市に寄託するつもりだ。

 自宅が全壊、半壊した友人がたくさんいる。

 「熊本の現状を自分の生の声で伝えたい。復興を信じて諦めない」

 19日午前11時、杉沢さんは再び仙台駅前に立つ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160419-00000004-khks-soci

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