日本の福祉の課題を紐解いていくとその特徴に、「(自分たちと違う人は)地域で暮らすのではなく隔離・収容する」という発想が浮き上がってきます。最たる例がハンセン病に対する政策でした。ハンセン病の患者は戦前から強制隔離政策によって、全国の療養所に収容され、結婚する場合には断種手術を強制されるなど人権侵害にさらされてきました。1943年に特効薬が開発され不治の病ではなくなり、患者や国際社会からの批判があったにも関わらず、隔離政策は戦後も続けられました。ようやく「らい予防法」が廃止、隔離が終わったのは1996年、患者による国家賠償訴訟で隔離は人権侵害だと認められたのは2001年のことです。かつて療養所で暮らしていた元患者の森元美代治さん(77)は、病気への無理解や根強い偏見、患者の自由や人権より制度の存続が目的になったことなどが重なり隔離は続いたと言います。そしてそれは「ハンセン病に限ったことではない」とも。隔離収容の歴史とそのことがもたらしてきた課題を見つめ未来へのヒントを探ります。
国立療養所 多磨全生園について
明治42年(1909年)にハンセン病患者のための公立療養所として創立。現在、元患者の方およそ200人が暮らしています。
隣接する敷地には「国立ハンセン病資料館」があり、ハンセン病の歴史や療養所での暮らしを学ぶことができます。
○国立療養所多磨全生園
〒189-0002 東京都東村山市青葉町4-1-1
○国立ハンセン病資料館
〒189-0002 東京都東村山市青葉町4-1-13
開館時間午前9:30~午後4:30 (入館は午後4:00まで) ※入館無料
休館日 月曜および「国民の祝日の翌日」(ただし、月曜が祝日の場合は開館)、年末年始、館内整理日
「差別や偏見は人間が作ったものだから、壊せるのもまた人間です」
【森元美代治さん:ハンセン病回復者のインタビュー】
こういうふうに取り上げてもらったことはすごくうれしいですね。ハンセン病の歴史を「自由を奪われて」「普通の暮らしを求めて」「人間回復を目指して」と3つの時代に区切ってお伝えしたことはとてもよかったなと思います。今まではトータルで話すことが多かったので、中途半端で終わることもありました。とても話しやすかったです。
世の中にはいろんな差別や偏見があります。もちろんそれは人間が作ったものだから、壊せるのもまた人間です。だた、それは当事者が中心にならなければ壊すことができないと私はずっと思ってきました。ハンセン病問題について学者や研究会がいろんなことを言ったり書いたりしてきましたが、何よりも「当事者がまずは動く」ということが前提かなと思うのです。やっぱり当事者が動かないと、世の中は動きませんよ。ハンセン病のことについても我々が動いたから、世間も動いてくれたと言えます。そういう意味では、自分たちの活動は無駄ではなかったのだと感じますね。たとえ大きな力にならなくても、ちびちびと活動を続けるということが私の生きる道にもなっていると思います。もちろんそれは生き方の問題なので他人に押し付けることはできないけども、信念だけはちゃんと持っていてほしい。私もいろんなことを言われましたが、信念に反しない限りは歩んでいけると思ってここまで進んできました。
国立療養所 多磨全生園について
明治42年(1909年)にハンセン病患者のための公立療養所として創立。現在、元患者の方およそ200人が暮らしています。
隣接する敷地には「国立ハンセン病資料館」があり、ハンセン病の歴史や療養所での暮らしを学ぶことができます。
○国立療養所多磨全生園
〒189-0002 東京都東村山市青葉町4-1-1
○国立ハンセン病資料館
〒189-0002 東京都東村山市青葉町4-1-13
開館時間午前9:30~午後4:30 (入館は午後4:00まで) ※入館無料
休館日 月曜および「国民の祝日の翌日」(ただし、月曜が祝日の場合は開館)、年末年始、館内整理日
「差別や偏見は人間が作ったものだから、壊せるのもまた人間です」
【森元美代治さん:ハンセン病回復者のインタビュー】
こういうふうに取り上げてもらったことはすごくうれしいですね。ハンセン病の歴史を「自由を奪われて」「普通の暮らしを求めて」「人間回復を目指して」と3つの時代に区切ってお伝えしたことはとてもよかったなと思います。今まではトータルで話すことが多かったので、中途半端で終わることもありました。とても話しやすかったです。
世の中にはいろんな差別や偏見があります。もちろんそれは人間が作ったものだから、壊せるのもまた人間です。だた、それは当事者が中心にならなければ壊すことができないと私はずっと思ってきました。ハンセン病問題について学者や研究会がいろんなことを言ったり書いたりしてきましたが、何よりも「当事者がまずは動く」ということが前提かなと思うのです。やっぱり当事者が動かないと、世の中は動きませんよ。ハンセン病のことについても我々が動いたから、世間も動いてくれたと言えます。そういう意味では、自分たちの活動は無駄ではなかったのだと感じますね。たとえ大きな力にならなくても、ちびちびと活動を続けるということが私の生きる道にもなっていると思います。もちろんそれは生き方の問題なので他人に押し付けることはできないけども、信念だけはちゃんと持っていてほしい。私もいろんなことを言われましたが、信念に反しない限りは歩んでいけると思ってここまで進んできました。
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