コミュニケーションの根源 / 自閉症スペクトラム最新情報

  • 10 年前
携帯、メール、ソーシャルメディアなど、さまざまなコミュニケーションがあふれる現代社会。人とうまく関われない悩みを抱え、専門医を訪れる人が急増! 詳しく調べると、意外にも赤ちゃんのころの「あるもの」の使い方が、その後の人生における対人関係を大きく左右することが分かってきた。さまざまな実験を通して、コミュニケーションの不思議を徹底解剖。最近注目される「自閉症スペクトラム」という症状の最新研究にも迫る。

赤ちゃんはアイコンタクトでコミュニケーションをして言葉を学習していく。その際に重要なのは会話。お母さんのあやし映像をリアルから録画済み映像に切り替えると、赤ちゃんはとたんに無関心になる。理由は、赤ちゃんが全身で発信しているメッセージに反応しないから。赤ちゃんは、お母さんが指差して「クルマ」と発声すると、指差した対象物を見て、次にお母さんを見て、お母さんの心の中を読み、そこに「クルマ」があることを理解し、対象物が「クルマ」であることを理解する。自閉症スペクトラムの特徴は、このアイコンタクトが欠如していることで、理由は目がよすぎるから、というのは目から鱗。普通の子は、ぼやっとしか見えず、お母さんの目がガイドとなっているが、見えすぎて、対象物に神経を集中させてしまう。その結果、コミュニケーション障害と“こだわり”という傾向が表れる。解決策は、アイコンタクトを増やすこと。「見つめ合う」、その力は偉大だ。