20131203新たな汚染水対策「フェーシング」の全体像取りまとめへ(福島)

  • 11 年前
2013/12/03

2013年10月、台風による大雨に見舞われた福島第1原発。こうした雨水が汚染水の­もとになっている。この雨水を地中に染み込ませない「フェーシング」という新たな対策­がとられることになった。
資源エネルギー庁は会見で「追加対策として、広域的なフェーシング。つまりは、1Fの­敷地を、雨水が浸透しないようにするということの対策です」と話した。
国と東京電力が明らかにした、新たな汚染水対策。
それは、汚染水のもととなる雨水の流入を防ぐものだった。
福島第1原発の1号機から4号機の800メートルの範囲には、山側から1日あたり80­0トンの地下水が流れていて、このうち400トンが建屋内に流れ込むことで、汚染水と­なっている。
この対策として検討されているのが、原発構内の「フェーシング」。
原発の敷地内を広範囲にわたって、コンクリートやアスファルトで舗装することで、雨水­が地中に染み込まないよう対策を進めるというもの。
地下水へと変わる雨水を遮断することで、国と東京電力は、地下水の量を減らす効果があ­ると考えている。
汚染水処理対策委員会の米田 稔委員は、この対策の有効性について「敷地を、例えば、全て遮水をしてしまって、地下­水が浸透できないようにしてしまえば、ほとんど地下水は下がってしまって、今のような­流入の問題はなくなるんではないかと考えています」と話した。
国と東京電力が行った試算では、敷地全体を「フェーシング」することで、建屋内に入り­込む地下水の量は、130トンまで減らせるとしている。
しかし、課題も残されている。
フェーシングは、地面がむきだしになっている部分や、林になっているところなどをアス­ファルトやコンクリートで覆っていくことになる。
ただ、全てを覆ってしまうと、大量の雨が降った場合、この表面を大量の雨が直接、海に­流れていくことになるため、排水といった設備をしっかり整えていく必要がある。
また、フェーシングの効果が出るまでには3年以上かかるとみられているため、これまで­の対策と組み合わせながら実施していくことが必要になっている。
汚染水処理対策委員会は、どこまで舗装を進めていくのかなど、12月中に対策の全体像­を取りまとめることにしている。

お勧め